部屋づくりの際、ソファやテーブル、カーテンを選ぶ所まではできるけど、そこから先の飾りの部分まで手が回らないという方も多いのではないでしょうか。
でも、そのプラスアルファの部分こそ個性を表現でき、部屋の印象が決まる大切な要素。
今回、インテリア初心者のWEB OZONE編集スタッフが教わるのは、センスのいい部屋に欠かせない「フォーカルポイント」のつくり方です。
リフォームや模様替えを予定している方はもちろん、今の部屋のイメージを変えたいという方も、ぜひご参考にしてください!
インテリアデザイナー志村
自然素材をベースにした心地よい空間作りを大切にしている。海外ファブリックの活用やアート提案も得意とし、住む人の雰囲気に寄り添った個性豊かな空間デザインを提案。
最近のブームは筋トレ。美しい背中作りとベンチプレスにはまり中。
編集スタッフT
15年前に戸建を新築。北欧やヨーロッパのヴィンテージ家具に憧れて、おしゃれな暮らしを目指すが、気づけば子どもの物で溢れ、理想とはほど遠い家に。子育ても一段落して、改めて家を整える決意をする。
〈家族構成:40代夫婦、子ども1人〉
インテリアの基本テクニック「フォーカルポイント」とは?
編集T:
前回は、部屋づくりのファーストステップとして、「まずは部屋の使い方やイメージを明確にすることが大切」と教えてもらい、わが家のイメージも固まってきました。
今回のテーマの「フォーカルポイント」は、そもそも初めて聞いた言葉で何だか難しそうですが・・・
初心者にもできるものでしょうか?
志村:
「フォーカルポイント」という言葉は知らなくても、例えば、玄関のちょっとしたスペースに、お花や季節の小物を飾ったりしますよね。
まさにそれが「フォーカルポイント」で、一言でいうと、"パッ"と目を惹く演出された場所のこと。
その空間に入ったときに最初に視線を引き付けて、空間の印象を決める、重要な要素です。
ホテルやモデルルームを訪れて、「すてきな空間だな」と思うのは、この「パッと目を惹く場所」がきちんとつくられているためで、印象的でバランスのよい空間づくりには、欠かせないコーディネートテクニック。
「フォーカルポイント」をつくることで、他の場所に目が行きにくくなるというメリットもあるので、ぜひ取り入れてほしいなと思います。
編集T:
家をまるごと整えるとなると途方に暮れてしまいますが、ポイントだけ気合いを入れるのなら頑張れそうです!
とは言っても、どの場所にどうやってつくればよいのか・・
志村:
それでは、これまで手がけた事例を見ながら、「フォーカルポイント」のつくり方のコツをご紹介します。
簡単で効果絶大!「フォーカルポイント」のつくり方
志村:
まず、どこに「フォーカルポイント」をつくるかですが、初めて来た人の目線で、家の中を実際に移動してみることがおすすめです。
玄関を開けた瞬間、リビングに入った時、最初に目に入る場所はどこでしょう?
次にリビングのソファに座った時に見えるダイニング、さらにダイニングに移動した時に見えるリビング。
視線の流れを確認しながら、印象的に見せたい場所を演出していきます。
位置は、目線の高さを意識することがポイント。
一般的な住まいは、家具が低く、照明やカーテンが高い位置にあるため、空間が上下に分かれてしまいがちです。その間をうまく埋めることで全体のバランスが整い、心地よい空間になります。
空間全体を使って、目線の高さを意識した「フォーカルポイント」をつくっている事例。
部屋の奥にテーブルランプやペンダント照明を、手前の壁にはアートを配置、さらにテーブル上にはグリーンを置き、視線のラインを揃えています。
奥に「フォーカルポイント」があることで、空間に奥行きと立体感が生まれ、より広がりを感じられる構成にしています。
高い位置のシャンデリアや壁付け灯と、低い位置のソファとの間に余白があるため、レースのプレーンシェードの裾のラインをアクセントに。さらに右側の壁の目線の高さにミラーを配置しています。
全体のバランスを考えながら余白を埋めることにより、安定感が出て心地よさも高まります。
●空間にまとまりと統一感が生まれる:
視線が一点に集中することで、散漫な印象がなくなり、部屋全体が引き締まります。
●奥行きと広がりを演出できる:
フォーカルポイントが奥の方にあることで、空間に立体感が生まれ、広く感じられます。
●視覚的な魅力が増す:
空間にアクセントが加わり、見る人の興味を引きます。
●心理的な安定感をもたらす:
視線の中心があることで、落ち着いた印象を与え、リラックスしやすくなります。
志村:
部屋のTVまわりは自然と視線が集まる場所。
高さのある植物やフロアスタンドを置くことで、TVの輝度をやわらげ、目にやさしい心地よい環境をつくります。
さらに、背面の壁にグレーのクロスをコーディネートすることで、TVコーナーにまとまり感が生まれ、落ち着いた印象に仕上がります。
編集T:
TVはつけていない時の無機質な存在感が気になっていましたが、やわらかいイメージになりますね。これならわが家にも取り入れられそうです!
志村:
こうして、一面だけ素材やカラーを変えて印象づける壁のことを「アクセントウォール」と言い、「フォーカルポイント」として効果的です。
空間の奥行きと、周囲のインテリアを引き立たせる効果があり、壁全体がまとまって見えるため、整った印象をもたらします。
「フォーカルポイント」でインテリアの悩みを解決
志村:
住まいのお悩みを、「フォーカルポイント」のテクニックを使って解決した事例をご紹介します。
マンションのダイニング・リビングを、ホワイト基調でグレーやブルーを用いて明るく、やわらかい印象にしたいが、床の色が濃すぎるのでどうにもできないと相談にいらっしゃいました。
〈お客様の情報〉
●築15年、マンションのインテリアコーディネート
●家族構成:40代ご夫婦、お子様2人
●お悩み:
白を基調とし、ソフトグレーやブルーを取り入れ明るい空間にしたいが、床の色が濃くどうにかならないか・・・
横長のLDKで床が重く空間が分断したような印象のお部屋で、床の色味をやわらげるようなコーディネートをしなければなりません。
ペンダント照明がフォーカルポイントになりそうですが、床に負けてしまいます。
そこで背景の壁を、テーマカラーのソフトなブルーで塗装しました。
<ダイニング側>
●濃い床の印象が和らぐ
●手前の照明が引き立ち 奥行き感が生まれる
隣接するリビングは、ペイントカラーに合わせたラグを床に配置、さらに壁にアートを飾ることでフォーカルポイントが生まれ、床への意識がやわらぎました。
このように既存の空間でも、カラーやテクニックでガラッと印象を変えることができます。
<リビング側>
・視線が上がり空間を広く認識できる
・ラグとのコーディネートで床の色が和らぐ
・カラーの統一で全体に統一感が生まれる
編集T:
床や照明はなかなか変えられないので、ラグやアートを追加して雰囲気を変えられるのはうれしいですね!
志村:予算をかけずに「フォーカルポイント」をつくるアイデアは色々ありますよ!
難しく考えず、今の空間の目線の位置で、さみしいと感じる壁の部分にお気に入りの物を飾りましょう。
編集T:
「フォーカルポイント」があると自分も気分が上がるし、住む人の好みや個性が分かって、来た人にとっても印象に残る空間になりますね。
次回は、さまざまなお宅の「フォーカルポイント」を拝見して、さらに理解を深めたいと思います!
今回のポイント
- まずは目に留まる空間がどこかを確認する。
- 目線の高さを意識して、アートやグリーン、照明などを飾る。
- 上下に分かれがちな空間の間を埋めることでバランスを整える。
OZONEインテリアデザイナー:志村文子
大手住宅メーカーコーディネーターを経て、現在はリビングデザインセンターOZONE「OZONE家design」にて、リフォームやインテリアを担当する。
個人住宅を中心にインテリアコーディネートやリフォームを手掛ける一方、住まいづくりに関するアドバイスやセミナーの講師活動も行う。
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