
フローリング選びは初めが肝心!
部屋の大きな面積を占めるフローリングは、インテリアのイメージを左右し、家具やカーテンのように後で簡単に変更できないため、その選定は重要です。
さらに、お部屋の使用用途だけでなく、好みのテイストや使用する家具なども、フローリングを選ぶ時に一緒に検討するとより理想とするインテリアに近づけることができます。
フローリングを選ぶときのポイント
フローリングとは、木質系の床材の総称で、畳やカーペットに比べて清掃がしやすい、ダニ・カビの発生が少ない、様々な種類がありデザイン性が高いなどの特徴があります。
決めることがたくさんある家づくりにおいて、自分がイメージするインテリアを叶えるためのフローリング選びのポイントは大きく分けて2つになります。
- フローリングの構造上の種類【単層フローリング(無垢フローリング)と複合フローリング】
- フローリングに使われる木の種類
フローリングの構造上の種類
【単層フローリング(無垢フローリング)と複合フローリング】 
フローリングは構造上単層フローリング(無垢フローリング)と複合フローリングに分けられます。
この2つは表面からよりも、断面をみるとその違いがわかります。それぞれに特徴やメリットとデメリットがあり、それらを理解して何を優先したいかを考えると選びやすくなります。
【単層フローリング(無垢フローリング)】
単層フローリングは「無垢(むく)」とも呼ばれます。「無垢フローリング」というと聞いたことがある方もいるのではないでしょうか?「無垢フローリング」に使われる「無垢材」とは自然の木から切り出した一枚の木材のことで、その一枚の木材を使って作られているのが「単層フローリング(無垢フローリング)」です。
天然木100%を使ってつくられているため、木の持つ味わいを活かした温かみのある雰囲気のお部屋を作りだすことができます。経年変化することで色合いの変化も楽しめ、木の香りや感触、自然な風合いも魅力的。「木を存分に楽しみながら暮らしたい!」という方におすすめです。
一方で一般的には時間の経過とともに割れや反りが起こりやすいというデメリットもあります。

【単層フローリング(無垢フローリング)のメリット・デメリット】
- 木材そのものを楽しむことができる
- 色などの経年変化を楽しめる
- 素足で歩くと気持ちいい
- 調湿効果がある
- 複合フローリングと比べて費用が高い場合がある
- 膨張と伸縮を繰りかえす
- 傷やシミがつきやすい
- 定期的にお手入れを行う必要がある(一部、お手入れが簡単な床材もあります)
【複合フローリング】
「単層フローリング」に対して「複合フローリング」とは複数の板をミルフィーユのように張り合わせた合板の表面に、薄く切り出した天然木やシートを張りつけたフローリングのことです。一般的には単層フローリング(無垢フローリング)に比べて「種類が豊富でメンテナンスしやすい」「費用を抑えられる」といったメリットがあります。
複合フローリングはその表面材の厚みや種類により、さらに「挽板(ひきいた)」「突板(つきいた)」「シート」に分けられ、それぞれにも特徴やメリット・デメリットがあります。
① 挽板フローリング
基材となる合板に、厚さ2~3mmに挽いた木材を張ったもの。
無垢フローリングと同等の質感や風合いを楽しむことができます。木を存分に楽しみたいけど費用を少し抑えたいという方におすすめです。

【挽板フローリングのメリット・デメリット】
- 無垢フローリングと同様に質感や風合いを楽しめる
- 無垢フローリングに比べると膨潤や伸縮が少ないため、床暖房対応のフローリングが多い
- 天然木の下にある合板が見える心配が少ない
- 複合フローリングの中では費用が高い
- 無垢フローリングに比べると選択できる木の種類が少ない
- 傷やシミがつきやすい
② 突板フローリング
基材となる合板に、厚さ0.3~1mm程度に薄くスライスした木材を張ったもの。質感では無垢や挽板に劣りますが、外観・品質が均一で安価なのが特徴です。

【突板フローリングのメリット・デメリット】
- 一般的には挽板フローリングよりも安価
- 湿度や温度変化の影響をうけにくいため挽板フローリングに比べてメンテナンスが楽
- 表面の天然木が薄いため深い傷には弱い
- 歩きごごちは無垢や挽板よりやや劣る
③ シートフローリング
基盤となる合板は挽板フローリングや突板フローリングと同じですが、表面に木目がプリントされているシートを貼り付けたものです。メンテナンスが簡単で安価というメリットがあります。また技術の進歩により、最近では本物の木と区別がつかないものも出てきています。

【シートフローリングのメリット・デメリット】
- 比較的安価
- 汚れが落としやすくお手入れがラク
- 水や汚れに強い
- 色柄のバリエーションが豊富
- 本物の木のような質感や温かみがない
- 傷や剥がれがおきやすい
- 無垢のように経年劣化が味わいにはならない
いかがでしたか?
子ども部屋、リビング、あるいはペットと一緒に暮らしているなど、お部屋の用途によっても選ぶ基準は変わります。
また、見た目や雰囲気だけでなく、触りごこちや踏みごこちなど、毎日触れるものだからこそ実際に見て・触って・踏んで、五感で感じてから選びたいですね。
OZONEのコンサルタントからワンポイントアドバイス
フローリングの種類によって、施工時間や費用に差が生じます。
無垢フローリングは、職人が一枚ずつ貼るため、複合フローリングよりも手間とコストがかかります。また、湿度による膨張収縮を考慮した施工技術が必要で、信頼できる施工業者を選ぶことが大切です。
リフォームでの張り替えを行う場合には、無垢か複合かに関わらず、既存床を剥がして下地調整と、廃材撤去処分の費用が発生します。 場合によっては、既存の床材の上に新しいものを重ねる「上張り工法」を用いることもありますが、床下地の状況によって選べないことがあります。 張り替え時には、予め現場を確認しておくとリスクの軽減につながると思います。
木質系フローリングをこだわって選ぶのであれば、そのメリットとデメリットを理解し、何を優先したいかを見極めることが大切です。
OZONE住まいづくりコンサルタント
川端幸枝(建築士/インテリアコーディネーター)
西新宿にあるリビングデザインセンターOZONEでは、単層フローリング(無垢フローリング)と複合フローリングを取り扱っているショールームが揃っており、専門のスタッフがそれぞれの特徴や違いをご説明します。実際に各ショールームの製品を比較検討しながらご覧いただけます。また一般的に言われている単層フローリング(無垢フローリング)と複合フローリングのデメリットをカバーするおすすめの商品も多数取り揃えています。
※「フローリングに使われる木の種類」は8月頃の公開を予定しています。
【フローリングを扱っているショールーム】
※フローリング以外の床材の種類についてはこちらをご覧ください。
※2025年6月時点の情報です。最新の情報とは異なる場合がございます。