OZONE館内ショールームから「2022年度グッドデザイン・ロングライフデザイン賞」を受賞した商品をご紹介します。
ロングライフデザイン賞とは、財団法人日本産業デザイン振興会が主催する「グッドデザイン賞」の中の1部門で、10年以上継続して提供され、⾧年にわたり人々から高い支持を得ている商品やサービスに贈られる賞です。
■挽き板フローリング「Live Natural プレミアム」（朝日ウッドテック株式会社）
Live Natural Premium
朝日ウッドテック株式会社の挽き板フローリング「Live Natural プレミアム」は、表面の2mmの挽き板と独自構成の基材を複合することで、それまでの無垢フローリング、複合フローリングとは一線を画す新しい床材カテゴリー「挽き板フローリング」として、2012年に発売されました。無垢材と変わらない素材感がありながら、無垢ならではの課題である床暖房対応等を可能にする機能性を兼ね備えたフローリングとして、多くのユーザーが注目しています。
フローリングとしては初めての「ロングライフデザイン賞」受賞である同商品は、発売当時の2012年にも天然木フローリングとして初めての「グッドデザイン賞」を受賞しました。
■鬼目ナット（株式会社ムラコシ精工）
鬼目ナット
ネジの製造販売会社として村越鉄工所（現：ムラコシ精工）は創業以来、さまざまな声に応え製品開発を行ってきました。1960年代の高度経済成長期、取引先のミシンメーカーより「ミシン台を分解した状態で輸送できないか」と相談を受け、開発されたのが鬼目ナットです。当時のミシン台はミシンと机がビスでしっかりと固定されていたため、再組立や分解は難しく、既に組み立てた状態での輸送は梱包の容積も大きくかかりました。
しかし、鬼目ナットを使用すると木部に既に打ち込まれている鬼目ナットに板と連結ボルトを取り付けることで、木材を傷つけることなく連結させることができます。連結ボルトを取り外すだけで木部の連結が解除され、分解も簡単に行えるため、現在では組立家具に必要不可欠な存在となっています。
この鬼目ナットは、日本で古くより木工用ヤスリとして使われていた「鬼目ヤスリ」の突起形状が発想の原点となりました。輸送コストを下げるだけでなく、輸送できる数量が上がり、業界やものづくりにまで影響を与えています。