設計・施工のプロフェッショナルを対象に、館内ショールームの製品をお試しいただける『モニター募集』のアイテムを、8回に分けてご紹介します。
『モニター企画』の詳細はこちら(※募集は終了しています)

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株式会社ウッドワン 福井淳さん

6F 「ウッドワンプラザ新宿J がモニター募集するのは、ニュージーランドの森林で苗木から育てたパイン材を用いたカラフルな建材と、黒い鉄のフレームと無垢の棚板で構成する収納製品です。
株式会社ウッドワンの東京営業グループ・セールスマネージャーで、ウッドワンプラザ新宿のグループマネージャーを兼務する福井淳さんに製品の特徴を伺いました。


―ウッドワンさんは1935年に広島県で創業。以来、住宅用の木製建材を中心に事業を広げ、今は木製キッチンなどもラインナップされています。

当社は1990年から、ニュージーランドで「ニュージーパイン®」の植林を行っています。一般的にはラジアータパインと呼ばれる、北米原産の針粟樹です。日本の杉や檜に比べて生長が20年ほど早く、約30年で樹高40mほどの”大人”に生長します。

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ニュージーパイン®は約30年で樹高40mに生長

ニュージーランドは1980年代に多額の負債を抱えて経済危機に陥りました。政府は財政再建のために多くの国有事業の国際競売を実施して、そのなかに国有人工林の立木伐採権の売却も含まれていました。当社はその伐採権を落札して、さらに「木を伐採した後に再び植林するならば、半永久的に森林を利用できる」という森林経営権も取得し、広大な森林の育成を始めたのです。

森林は、植林、育林、間伐・枝打ち、伐採、という循環サイクルによって健全に維持できます。また、森林の維持は二酸化炭素の削減につながり、環境に貢献します。当社は同国北島の東部と南部にある計4万haの山林用地を管理し、1年生から30年生までに分けた区画ごとにを育て、毎年一定量の木材が収穫できるように保全しています。現地では加工工場も運営しています。

植林から製品まで一貫生産する建材メーカーは世界的にも珍しいのではないでしょうか。大切に育ててきた木ですから、太い幹の部分を無垢材や集成材として活用するのみならず、中間部分は合板やLVLに、先端部分も薄片をファイバーで挟み込んだボード加工して、1本まるごと無駄なく使い切ります。部位によって扱い方が違うのですが、それぞれの特徴を活かすために、調理方法を変えるわけです。

当社製品の背景にはこのような物語があります。2020年の今年は、当社オリジナルの育林ノウハウで苗木から育ててきたニュージーパイン®がちょうど30年生になり、今後はこれを用いた製品を皆さまにお届けしていく予定です。いままでは、もともと植林されていた木を伐採して製品に使っていました。

温暖な地域で育ったニュージーパイン®は幹が太く、芯がしっかりと締まり、均ーに整った伸びやかな木目を持ちます。木肌の色合いは、心材は淡い褐色 、辺材は淡い黄白色で、透明感がある美しさが特徴です。経年変化により深みのある飴色に変わり、美しさを増していきます。

―壮大なプロジェクトですね。今回のモニター企画にご提供いただいている木質系建材「KITOIRO (きといろ)」は2019年発売の新商品で、まさにそのニュージーパイン®が使われています。

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88色のバリエーションがある「KITOIRO」

「KITOIRO」は漢字で書くと「木十彩」。ニュージーパイン®の木目の美しさを活かすために「柾目取り」で、「浮造り」仕上げを施して木目を立体的に浮き立たせています。そのうえで、特殊塗装仕上げによる全88色の彩りある建材をご提案しています。

「素(そ)のままよりも楽しい」というコンセプト通り、カラフルで楽しい製品だと思います。床材・壁材ともカラーバリエーションが豊富なだけではなく、パターン(柄)付きもあり、壁材にはスクエアパネルや長押もあります。選択肢が多くで悩まれるかもしれませんが、住宅でも非住宅でもお使いいただけるものをと考え、ラインナップしました。

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床や壁を楽しくする「KITOIRO」。床材・壁材とも実(さね)加工されている

―今回のモニター企画では特に非住宅(施設や店舗など)でのエントリーを望まれていますが、木は傷がつきやすい点をご心配の方もおられると思います。

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浮造り仕上げ

この製品は浮造り仕上げにより、木の表面の柔らかい部分をブラッシングして取り去っているので固く、傷がつきにくいのが特徴です。また、床材としてお使いいただくと、表面が凸凹していますから足裏を刺激する効果があります。さらに、床材と足裏の間に空気層が生まれるので、普通のフラットな床材よりもあたたかく感じる。健康という観点からもオススメできるアイテムです。

住宅でも木の壁感がある部屋では睡眠の質が向上すると言いますよね。商業施設やオフィスなどにもぜひ木の質感を取り入れて、安らぎの空間をつくっていただきたいという考えから開発しました。この製品なら木をポイントやアクセントとしてお使いいただくことができると思います。

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ウォールとデザイン長押を使用。色柄の組み合わせにより、雰囲気はがらりと変わる

ただ、防火認定は取っていないので、非住宅の場合は内装制限のない場所にお使いいただくようお願いします。

―モニター企画ではもうひとつ、収納製品「カベツケ」と「ユカオキ」もご提供いただいていて、両セットでお使いいただくことが応募条件です。これらは「KUROMUKU (クロムク)」シリーズの壁付けタイプと床置きタイプの収納棚として販売しているものですね。

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左は「カベツケ」、右は「ユカオキ」

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「フレームキッチン」の施工例

はい、”ハシゴに板を渡せば棚になる”そんなシンプルな発想が鋳鉄と無垢板で洗練され、「カベツケ」や「ユカオキ」として形になりました。もともと黒い鉄のフレームと無垢の棚板を組み合わせた構成です。そこにシンクとガスコンロを組み込めば「フレームキッチン」になります。
当社がYouTubeで公開している「フレームキッチンの組み立て」という動画をご覧いただくと、プロの方は仕組みがわかると思います。

―こちらも非住宅でのエントリーをご希望ですが、店舗ではディスプレイ棚として、オフィスでは市販のファイルボックスを併用して書類棚として、というように幅広く活用できそうですね。

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施工イメージ

この製品は、それぞれの素材の質感がダイレクトに伝わるシンプルなデザイン、いくつかのサイズを好きなようにつないでいけること、そして”見せながらの収納”が可能なことが特徴です。
お客様がご自分なりの収納を工夫しながらつくっていくことができ、たとえばホームセンターで木箱を買ってきて引出し代わりに使うなど、好きなようにアレンジできます。

スチールフレームの塗装色には最近、白を追加しましたが、今回のモニター企画でご提供するのはマットな黒のほうです。設計者の方の思い描くデザインを実現していただけるのではないかと思います。

―作業台のような雲囲気があるフレーム型のキッチンは、設計者は特注で実現することが多いものですから、御社のようなメーカーが製品化したことは大きな意味があると思っていました。

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「スイージー」との組み合わせ例

そうですね。品質保証の点でまずご安心いただけるでしょうし、ショールームで完成形を見られますから、設計者と建て主の方がイメージを共有しやすいというメリットもあります。

また、「フレームキッチン」や「ユカオキ」の天板は、無垢の木のキッチン「su:iji (スイージー)」の天板と同じ厚さなので、たとえばシンクやガスコンロのあるキャビネットは「スイージー」、ほかは「ユカオキ」というように、シリーズが違っても組み合わせてお使いいただくことができます。

「スイージー」のガスキャビネットをご購入いただいて、ほかの収納部分はモニター企画にご応募いただく、という住宅プロジェクトのエントリーもあるかもしれませんね。


取材・文/長井 美暁
※2021年4月時点の情報です。最新の情報とは異なる場合がございます。

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