住宅ローンの考え方

2016.03.20

■住宅ローンプランニング

◎「銀行が貸してくれる額」≠「無理なく返せる額」
住宅の予算を決める際に考えがちなのは、「銀行はいくら貸してくれるのだろうか?」と考える方も多いのではないでしょうか。でも大事なのは「自分自身が無理なく返せるのはいくら?」です。 これは、銀行や不動産会社の人に聞いても教えてもらえません。あなた自身で検証する必要があります。

フラット35では年間合計返済額の割合が、下記のように基準が設けられています。

たとえば、600万円の年収の場合、年間のローンの返済額は、140万円以下になるように設けられています。

06_loan_01.jpg




しかし、民間のローンは、審査基準はそれぞれ異なります。
一般的には、審査金利といわれる金利(3〜4%)で計算した、年間返済額が年収のどれくらいかという「返済負担率」から、貸し出しの上限を計算するといわれています。この返済負担率を、年収に応じて25〜40%としている金融機関が多いようです。
返済期間は完済時期を75歳(または80歳)としている金融機関が多く、そこから現在の年齢を差し引いた年数と35年間とのいずれか長いほうで、借入れられる上限額を計算しています。

◎無理なく借りられるローン額は?
では、いくらの物件なら無理なく買えるのか?を試算してみましょう。 マイホームを購入すると、ローン返済以外にも、賃貸の時にかからなかった税金等が生じます。無理のないローン返済額から、こうした税金や維持費を考えて、ローンを組むとよいでしょう。

→住宅を保有することでかかるお金


■無理のないローン返済額の目安
=(現在の家賃・駐車場代+住宅購入のための貯蓄額月割り分)−維持費など

<維持費など>には次のようなものがあります。
  • 固定資産税・都市計画税
  • 管理費・修繕積立金(マンションの場合だけでなく、一戸建てもリフォーム用に準備を)
  • 駐車場・駐輪場代(マンションの場合)
  • 光熱費等の増加分(賃貸より広くなり、光熱費負担が増えるケースが多い)
  • 計画的な繰上返済を考えるなら、そのための貯蓄

無理のないローン返済額と返済年数から、無理のないローン額を計算します。ここでは3%で試算します。下表で、毎月返済できる金額と返済年数が交わったところの金額が、無理なく借りられるローン額の目安となります(ただし、実際に借入れが可能かどうかは金融機関の審査によります)。

 金利3%の場合の借入れ可能額の目安(単位:万円)
06_loan_02.jpg


















◎ローンが利用できないケース

実は住宅ローンは誰でも利用できるわけではありません。ローンが利用できないか、利用できるローンが限定される方もいます。家づくりや家の購入を検討する際は、あらかじめローンを借りられる状況を作っておくことも大事です。

国土交通省による「平成26年度民間住宅ローンの実態に関する調査」によると、融資を行う際に考慮する上位項目は下記のようになっています。
  1. 完済時年齢
  2. 返済負担率
  3. 借入時年齢
  4. 担保評価
  5. 勤続年数
  6. 健康状態
  7. 年収

そのため、下記に該当する場合は、どのように対策をとるか考えておきましょう。

<一部可能なローンもあるが限定される>
  • 持病などがあって団体信用生命保険に加入できない
  • 勤続年数が短い
  • 借入れる人が正社員以外(派遣社員やパート、アルバイトなど)
  • 借入時の年齢が高い

<住宅ローンが利用できない可能性が高い>
  • 個人事業主や自営業で過去3年間の所得が低い
  • 独立・開業をしたばかり
  • 他のローンなどを延滞したことがある
  • 消費者金融に借入がある


■住宅ローンの選び方

さまざまな金融機関による借り入れ基準があるのと同様、住宅ローン商品も多様にあります。まずは大きく分けて、住宅ローンには「公的ローン」と「民間ローン」に分けられることを知りましょう。

◎公的ローンと民間ローン
公的ローンには、財形住宅融資や地方自治体融資があります。金利面は比較的有利な反面、物件や利用者に条件が設けられています。
公的ローンは、主に2つ。財形貯蓄を1年以上積み立てて、貯蓄残高が50万円以上ある勤労者が利用できる財形住宅融資と、自治体に居住または勤務していることが主な条件となる地方自治体融資になります。
一方で、民間ローンは、銀行・信用金庫、住宅ローン専門会社、生命保険会社、JAなどが扱っています。物件に対する条件はやや緩やかで、融資限度額も大きめなのが特徴です。
各銀行が扱っている「フラット35」は民間ローンの1つに分類されます。
下に各ローンの特徴をご紹介いたします。

住宅ローンの種類
06_loan_03.jpg



















◎知っておきたい金利タイプとその特徴
最近は住宅ローンの金利タイプが多様化しています。それらの特徴を押さえておきましょう。

住宅ローンの金利タイプを選ぶ際のセオリーは次の通りです。
低金利期・金利上昇期=長期固定型
高金利期・金利下降期=変動金利型

<主な金利タイプの特徴>
(1)長期固定型
返済完了まで金利が変わらないもの。「フラット35」のほか、最近は銀行でも30年や35年間固定金利の住宅ローンを打ち出すところが増えています。 長期でローンを組む場合や低金利期は、固定金利を選択するのがセオリーといえます。 返済額がずっと変わらないため、家計管理がしやすいのがメリット。リスクは、金利水準が低かった時に、結果的に変動金利タイプ等の方が有利になることもありうる点です。

(2)変動金利型
変動金利型は、銀行などの民間ローンが扱うタイプ。通常、金利が年に2回見直されるため、金利変動の影響を受けやすいタイプといえます。ただ、金利がアップしても返済額は5年間変わらないしくみになっていて、金利上昇分は返済額のうち利息の比率が高くなることで調整されます。また、5年ごとに返済額が見直され、新しい返済額はそれまでの1.25倍以内という決まりになっています。
金利上昇が特に大きいと、返済額のほとんど利息になり、それでも利息が払いきれないときは「未払利息」が発生するケースもあります。そのため、金利上昇期には利用を避けた方がいいタイプといえます。

(3)固定金利選択型
2年、3年、5年、10年など、一定期間だけ金利を固定するタイプ。固定期間が長いほど金利が高くなります。固定期間終了時点で、変動金利に戻るか、手続きをすれば再度、固定金利選択型を選べます(手数料は数千円〜1万円程度が多い)。 このタイプは、固定期間終了時点での金利水準に基づくため、金利上昇分がそのまま返済額に跳ね返り、適用金利がアップすれば返済額が高くなる点に注意しましょう。

(4)5年ごと固定型
金利が5年ごとに見直されるタイプで、財形住宅融資が該当します。見直し後は、元金均等返済を選択した場合、新返済額に上限はありませんが、元利均等返済を選んだ場合、原則として新返済額は、旧返済額の1.5倍までしか増えない決まりになっています。ただし、それ以上に金利上昇が大きいと、未払利息(「変動金利」参照)が発生する可能性もありますので、中期で借りるのに向くローンといえます。


◎元利均等返済と元金均等返済
住宅ローンの返済方法には、元利均等返済と元金均等返済があります。それぞれの特徴も知っておきましょう。
尚、元金均等返済については、扱っていない金融機関もありますので、加入する際にご確認ください。

<元利均等返済>
元利均等返済は毎回の返済額が一定となる返済方法で、一般的に住宅ローンを借りる場合はこちらを利用します。途中で返済額が変わらず、家計管理もしやすいのがメリット。一方、デメリットとして、同じ返済期間・金利水準の場合、総返済額は、元金均等返済よりも多くなります。また当初は金利の占める割合が高くなっており、繰上返済を行うなら、初期の方が効果的です。

<元金均等返済>
元金均等返済は、借入れの元金部分を毎回同額ずつ返済する方法。ローン残高にかかる金利分が上乗せされるため、初期の返済額は高くなります。
元金の減り方が早い分、元利均等返済に比べて支払う利息の合計は少なくて済みますが、毎月返済額が変わる点や、特に初期の返済額が大きくなる点には注意が必要です。 現在の収入が高めで、将来は横ばいか下がる可能性がある職業なら元金均等返済でもいいかもしれません。

◎住宅ローンの金利はいつ決まる?
住宅ローンの金利は、財形住宅融資については申し込んだ時点の金利が適用されますが、フラット35を含む民間の金融機関の住宅ローンは融資が実行された時点の金利が適用されます。そのため、ローン実行が数ヶ月先の場合は、金利の動向によっては今の金利と大きくかけ離れてしまう場合もあります。ちなみに、民間の金融機関は、原則として毎月1日に金利を見直します。

ローンプランを立てる際は、金利の変動を見込んで、多少金利が上がっても無理がないローンを検討しましょう。

◎知っておきたい繰上返済

<繰上返済>
繰上返済とは、毎月の返済とは別に、借入金額の一部または全額を前倒しで返済することを指します。通常の返済額には支払利息も含まれていますが、繰上返済の場合は返済分が全て元金の返済に充てられます。それによって、支払う利息を軽減することができます。

繰上返済には、繰上返済をした分、期間が短くなる「期間短縮型」と、返済期間は変わらず、毎月の返済額が少なくなる「返済額軽減型」があります。いずれも利息軽減効果がありますが、同じ時期に同じ金額を繰上返済した場合、「期間短縮型」の方が利息の軽減は大きくなります。ただし、「返済額軽減型」は、子供の教育費がかかる時期に毎月の返済が大変になることが予想される場合には、家計を安定させるのに効果的です。

なお、繰上げ返済を行うと、ローンの負担は減りますが、注意点として住宅ローン控除を受けることが出来ない場合があります。それは、住宅ローン控除が受けることが出来る要件の一つに、「10年以上にわたり分割して返済する方法になっている債務があること」というものがあるため、繰上げ返済で期間を短縮してしまうと受けられなくなります。

それ以外にも、病気やリストラなど不測の事態に備えた資金も必要になりますので、家計全体を考え計画的に繰上げ返済をすることが望ましいでしょう。

06_loan_04.jpg

  • 家づくりのはじめから完成まで

    住まいづくりセミナー

    資金などの最初の計画段階から、依頼先選び、インテリアのことまで、住まいづくりを通じて各ステップで役立つ内容のセミナーを定期的に開催しています。

  • 家づくりのことなら住まいのプロに

    OZONE 家design

    早めのアクションが家づくり成功の鍵です。慌てず、迷わず家づくりを進めるために、多くの事例を知っている専門家に相談し、快適で満足できる家を手に入れましょう。

  • 住まいの商材選びの手助けに

    CLUB OZONEスクエア

    家づくり進行中の方には特に便利な施設が「CLUB OZONEスクエア」。約700社、7000冊のカタログ・サンプル帳をご覧いただけます(会員制ですが見学も可)。

  • 多彩なショールームで実物に触れる

    ショールーム

    OZONE館内には、30以上ものショールーム・ショップがあります。家具、インテリアをはじめ、キッチン、建材、設備などの実際の商品を自由にご覧いただけます。