2021年5/18(火)まで3F特設会場にて開催している【OZONE新作展示】から、2020年に製造、発表を始めた製品を、各社の技術力や開発ストーリーにも焦点を当ててご紹介します。
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関家具 Atelier MOKUBA 新宿ギャラリーショールーム

今回の「OZONE新作展示」の会場にて、「一枚板レジンテーブル」「一枚板サイドボード」を展示している、関家具Atelier MOKUBA新宿ギャラリー。5階の同社ショールームは、世界中から集められた選りすぐりの一枚板が約200枚以上並ぶ圧巻の光景が広がります。一枚板の存在感が際立つダイニングテーブルやセンターテーブルが人気ですが、今回は一枚板の新たな魅力を引き出したふたつの商品を紹介しています。関家具Atelier MOKUBA新宿ギャラリー主任の鈴木慎吾さんに、新作の特徴をお聞きしました。

―まず「Atelier MOKUBA」についてお聞かせください。

鈴木母体となる関家具は、1982年に箱物産地として知られる福岡県大川市で創業した家具メーカーです。「Atelier MOKUBA」は、今から10年前に関家具の社長の「無垢の一枚板の魅力を伝えたい」という思いから生まれたブランド。現在全国に10店舗を構え、合わせて約2000枚以上の一枚板を取り扱っています。木を知り尽くしたバイヤーが国内外で良質な木を見極め、丸太の状態で仕入れます。それを福岡にある自社工場で製材し、長い年月をかけて乾燥させ、切り出し、調整、削り出し、加工、研磨、塗装、管理と、一貫して行えるのが、「Atelier MOKUBA」のこだわりであり、お客様の信頼にも繋がっています。

―丸太のまま買い付けているのはなぜですか?

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左:国内外の銘木を丸太の状態で買い付ける。/右:より良い状態の一枚板がとれるよう熟練の職人が木を挽く位置を見極める。

鈴木料理店がマグロを1本仕入れる感覚に近いのですが、丸太の状態で買い付けることによって、100%自社で加工でき、木を無駄にせず余すことなく使いきることができるというのが大きな利点ですね。当社が扱うのは樹齢200~500年のものが大半で、最も年代ものだと樹齢1000年を超える屋久杉もあります。こうした貴重な木材資源を自社工場に運び、熟練の職人が年輪や木材の状態を見て、最適な角度を探し当てて全体の挽き方を決めます。製材した板は2年〜10年かけて自然乾燥させて水分量を落とし、木材乾燥釜に入れて含水率を15%以下まで調整。これで一枚板の仕込みが完了します。その後、切り出した一枚板を高周波プレス機にかけて全体の水分量を均一に整え、板自体を平らにしたら、加工、研磨、塗装の手順を経て、ぬくもりのある一枚板が完成します。
一枚板はとても高額な商品ではありますが、接客時に、このように丸太の状態からお客様の手に渡るまでに長い年月とたくさんの人の手が加わっていることをきちんとお伝えすると、みなさんその価値をご理解いただけます。

―さまざまな樹種の一枚板が豊富に揃っていますね。

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工場での調整を終えて国内の店舗へと
出荷の時期を待つ一枚板。

鈴木ここ新宿ギャラリーでは約200枚の一枚板を揃えています。同じ樹種でも、1本1本の木は木目の出方も色味も違います。お客様のご要望も十人十色なので、「こんなものがほしい」という声にお答えし、運命の一枚に出会えるようにさまざまな種類の一枚板をご用意しているのです。無垢の一枚板は木のぬくもりを宿す生き物のような存在であり、ご自宅の家族団欒の場でお使いいただけば、暮らしのクオリティをあげ、上質な時間を過ごすことができる。ここで働くスタッフはみんな一枚板に愛着を持っているので、そんな一枚板のある生活の価値と魅力も発信しています。

―新作家具「一枚板レジンテーブル」は一枚板と樹脂が融合したユニークな商品ですね。

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ウィローと透明樹脂を組み合わせた「レジンテーブル」。
新作展ではトチの「レジンテーブル」を展示中。

鈴木原木から製材をする中で、穴や節があるもの、割れが多く入っているもの、杢目は良いが細いものなどがあり、すべてきれいにダイニングテーブルの幅の一枚板をとることはできません。「これらの材料を有効に使うことができないか」というのが、我々の長年の課題でした。そして、こうした欠点を「個性」と捉え、これを活かす方法として編み出したのが、樹脂と木を融合することでした。穴や割れがある木に、樹脂を流し込むことで木本来の形は残しながら表面を平らにして、幅を樹脂で補いテーブルの形に生まれ変わらせたのが「一枚板レジンテーブル」です。樹脂は、気泡や不純物が入らないように、数回に分けて流し込むことで、高い透明度をキープします。さらに熟練の職人の手で時間をかけて研磨をすることで、木の部分の滑らかな触り心地を出しながら、樹脂部分の透明度をさらに高め、神秘的なテーブルへと仕上げます。樹脂は透明以外に16種類のカラーバリエーションを揃えているので、お好みの雰囲気のテーブルのオーダーメイドが可能です。「一枚板レジンテーブル」の魅力はその手触りから伝わるので、ぜひ実際に展示会場で確かめていただきたいですね。

―新作家具「一枚板サイドボード」の特徴を教えてください。

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アフリカ産のベリの前板が個性的な「サイドボード」。

鈴木このサイドボードはお客様から「一枚板を使った収納家具はないの?」という声がきっかけで開発しました。収納の前板は板を薄く加工する必要があるのですが、これが技術的にとても難しく、開発に苦労した点です。前板同士の杢目をつなぎながら、なおかつフラットな面に仕上げるのに苦心しましたが、インテリアの主役となり得るインパクトのある商品が誕生しました。前板以外の部分は、大川のメーカーや職人の手を借りて製造しています。残念ながら衰退しつつある家具産地ですが、技術や腕のあるメーカーや職人がまだまだたくさんいます。大川の地域活性という意味も込めて「メイドイン大川」の商品として多くの方々に産地の魅力も広めていけたらと思っています。

―アフターメンテナンスについてお聞かせください。

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同店で購入した一枚板は、工場に送り磨き直しと
再塗装を施すことで新しい杢目が蘇る。

鈴木「Atelier MOKUBA」が誕生した初期にご購入いただいたお客様からは、そろそろ傷や汚れをきれいにしたいという要望がございます。無垢の一枚板なので、ご希望があれば、表面を削る一枚板の磨き直しと再塗装を承っております。表面を削ることで新しい杢目と表情に出会えるのも、一枚板ならではの利点といえるでしょう。また、ライフスタイルの変化に応じて、住まいをコンパクトにする際は、大きすぎる一枚板を加工してテーブルのサイズを小さくし、切り落とした板でベンチをつくるといったオーダーにもご対応します。長年使ってきた愛着のあるテーブルを手放さずとも、形を変えてさらに長く使っていただけます。

一枚板のテーブルは、サステナブルな観点からも注目を集めており、親世代から子世代へと受け継ぐこともできる。思い出とともに長い時間をともに歩める、世界にひとつだけの一枚板を取り入れてみませんか?


取材・文:梶原 博子

OZONE新作展示 展示商品
製品名:一枚板レジンテーブル(トチ)
品番:GR-1272-2705-1
素材:トチ、レジン
展示品サイズ:W1600×D690-780×H43㎜
価格:1,870,000円(税込)※施工費別

製品名:CRAFT サイドボード
素材:木材(ベリ)
展示品サイズ:W1,600×D424×H700㎜
価格:422,400円(税込)※施工費別

※展示内容は変更になる場合はございます。あらかじめご了承ください。
※価格表示は全て2021年4月現在の価格となります。


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関家具 Atelier MOKUBA 新宿ギャラリー

館内ショールーム

世界の銘木およそ40種類、常時約150枚以上の一枚板を展示しています。太の製材から乾燥、塗装などの工程はすべて福岡・大川の自社工房にて行っており、職人の魂と技術が凝縮された一枚板を取り揃えています。