2020年から、設計・施工のプロフェッショナルを対象に、館内ショールームの製品をお試しいただく 『モニター企画』を実施し、多くの設計者にエントリーいただきました。ここでは、採用された施工事例を数回に分けてご紹介します。
『モニター企画』の詳細はこちら(※募集は終了しています)

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都電が走る下町情緒溢れる東京・文京区の一角に、今春4階建の賃貸併用住宅が完成した。1、2階に4戸の賃貸住宅、3、4階にオーナー住居という構成の建物は東京セキスイハイムが設計・施工を手がけている。同社でこのプロジェクトを担当した営業の新藤まどかさんと設計の関泰伸さん、そしてムラコシ精工の田中貴大さん、施主のOさんに家づくりのプロセスについて聞いた。

――家づくりのきっかけを教えてください。

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新藤 元々都内の別の場所にお住まいだった施主のO 様が、新たに家を建てたいと弊社の展示場にご相談にいらしたのが2019年11月でした。

Oさん 家づくりをしようと思い立ち、最初に見学したのがセキスイハイムだったのですが、蓄電池を使ったり、省エネを意識した最先端の家づくりに共感してお願いすることにしたのです。新藤さんには土地探しの段階から相談に乗ってもらい、最終的に見つけた土地ならば、4階建の賃貸併用住宅が建てられるとご提案いただき、この場所に決めました。

 O様はご夫婦そろってインテリアへの感度が鋭く、自ら「こんな建材を使いたい」「サッシはこんな色を使いたい」とアプリのピンタレストの画像などを元にイメージを伝えていただいて。

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Oさん 夫婦揃って好きなものがはっきりしているんですよね。僕はサーフィンが好きでよく南国に波乗りに行くのですけれど、沖縄のホテルや街並みに使われている琉球石灰岩を使った石積みに憧れがあって、ぜひ家でも使いたいと希望しました。沖縄から船便で琉球石灰岩を取り寄せて、リビングの壁面の一部と外構部分に使っています。インテリアは妻が好きな白と黒とグレーを基調として内装材や家具の色を選んでいます。

――今回、O様邸はキャンペーンに応募され、ムラコシ精工のアルミフレーム扉 「AXシリーズ」を、3階の納戸と4階と階段の間仕切りとして採用されています。「AXシリーズ」を使おうと思った理由をお聞かせください。

新藤 実はOZONEでのモニターキャンペーンの情報も、「AXシリーズ」という製品のこともすべてO様自ら探してこられたんです。

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Oさん 家のイメージを考えている時に、アプリでさまざまなインテリア画像を集めていたのですが、そこで見たフランスの住宅の黒いフレームの窓枠がかっこよくて、新しい家にもスタイリッシュな黒いフレームのアルミサッシを使いたいと探していたのです。その流れでOZONEに出向いた時に、ムラコシ精工のショールームで「AXシリーズ」を見かけて「これだ!」と一目惚れしたのですが、聞けば内装用で外部のアルミサッシは作っていないそうで、その時は諦めて帰ったのです。結局、アルミサッシは標準仕様のタイプを選んだのですが、内装工事の段階で、4階に入れた換気システムの効率を高めるために、階段と4階の間に引き戸をつける必要が出てきた。そこで、以前見た「AXシリーズ」のことを思い出し、調べてみるとちょうどモニターキャンペーン募集の告知を見つけたのです。

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 O様邸では、「快適エアリー」という弊社独自の通年型空気調整システムを採用しています。冷暖房・除湿ユニットによって夏はさわやかで快適に、冬は暖かく、部屋中が1年中を通して春のように心地よい温度を保ちます。しかし、せっかく一定に保っている熱や冷気も逃げ口があれば効果は半減してしまいます。O様のプランでは階段と4階フロアの間に扉があればより熱や冷気を逃すことなく「快適エアリー」の効果を発揮できたので、ここに引き戸をつけることをご提案しました。

田中 施主様が弊社のショールームで「AXシリーズ」を気に入っていただけたというのは、とても嬉しいですね。アルミフレーム扉は各社さまざまな商品を出しているのですが、O様が気に入ってくださった黒いフレームを扱っているのは弊社を入れてわずか数社だけなんです。

――「AXシリーズ」を採用した感想をお聞かせください。

 O様のお住まいは天井高が高いところで2780㎜、低いところでも2500㎜と高めで、一般的な内装用アルミフレームの仕様だと高さが1800㎜ぐらいなのでバランスが良くない。けれども「AXシリーズ」は1㎜単位でサイズオーダーができる商品だったので、天井高とのバランスを考えて高さ2388㎜の扉をつくることができました。最初は熱や冷気を遮断する目的で扉をつけることにしたのですが、「AXシリーズ」の面材は光を通す樹脂板なので、暗い階段に4階からの光が巡って明るくなるという副産物的な効果も得られたのがよかったです。

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田中 「AXシリーズ」は弊社の福島工場で1つずつ手づくりで制作しているので、1㎜単位のサイズオーダーが可能です。弊社のアルミフレーム扉シリーズは、建具用「AXシリーズ」と家具扉用「AWシリーズ」、室内ドア「ADシリーズ」、壁付棚柱収納システム「SRSシリーズ」の4タイプをご用意しています。「SRSシリーズ」を除く製品に共通するのが、戸当たりの衝撃音を緩和するソフトクローズ機能です。扉を閉める時にたとえ勢いあまっても、枠の手前60㎜からゆっくりと閉まるため、指挟みを防止して安全にお使いいただけます。また開閉試験を10万回クリアし、レールないに収められたローラーを滑らかに走行させる精密ベアリングによって長い間快適に使える製品となっています。

――「AXシリーズ」を施工する上でのポイントを教えてください。

田中 1㎜単位でのオーダーが可能ですが、縦幅は安全性と構造を考慮して2500㎜までとしています。また樹脂板の反りやたわみを防止する意味でも横桟をいれる仕様となっています。

Oさん 横桟が入っている方がスタイリッシュでこの家には合っていると思いました。横桟の入る場所も自由に選べるのがよかった。

新藤 今回、3階の納戸の扉は乳白色、4階の扉は透明タイプを選びましたが、他にはどのぐらいラインアップがあるのでしょうか。

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田中 樹脂板は、ポリスチレンで、ガラス色、乳半色、乳白色、ブラウン色の4タイプから選べます。O様のお住まいでは、3階の納戸が玄関を入ってすぐに見える場所にあり、一般的な木調扉だと空間に圧迫感が生まれたかもしれませんね。納戸には自然光が入る窓がついていたので、乳白色の扉を選ばれて玄関にも光を通して明るい印象を与えているのはとてもいいアイデアだと思いました。

 施工に関しては弊社で行なっているのですが、職人からも施工が簡単で、数時間程度で工事が完了したと聞いています。

田中 施工について1つだけ注意点がありまして、ソフトクローズ機能は扉を閉める時だけでなく、開ける時にも効かせられるのですが、時々説明書を読まずに設置する職人さんが片側だけにしか金具をつけない時があって、ソフトクローズ機能が両側で機能しなくなるケースがあります。ですから、施工の際には金具の取り付けについてきちんと説明書を読んで取り付けていただきたいですね。

――実際に「AXシリーズ」を使った感想をお聞かせください。

Oさん やはり気に入った黒いフレームはスタイリッシュでかっこいいし、気に入っていますよ。黒とグレーと白で統一したダイニングセットやリビングのソファとも相性がいいし、モダンな雰囲気のフレームと琉球石灰岩の壁面もマッチしていると思います。

 O様の家づくりで知ったムラコシ精工の「AXシリーズ」でしたが、お客様のプランによってご提案したくなる製品ですね。カタログを見ると、樹脂板と木を組みわせたタイプもあって、いろいろなテイストのインテリアに合わせられそうです。コロナ禍で人や空気環境に敏感な時代、こうした間仕切りをうまく組み合わせながら、安全で快適な住環境をご提案していきたいと思います。


設計・施工/東京セキスイハイム
取材・文/梶原 博子
撮影/大倉 英揮
※2021年4月時点の情報です。最新の情報とは異なる場合がございます。

ムラコシ精工 新宿ショールーム

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