2020年から、設計・施工のプロフェッショナルを対象に、館内ショールームの製品をお試しいただく『モニター企画』を実施し、多くの設計者にエントリーをいただきました。ここでは、採用された施工事例を数回に分けてご紹介します。
『モニター企画』の詳細はこちら(※募集は終了しています)


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2020年初夏に完成した横須賀エリアの個人邸。
リビングに設置された大型テレビモニターの上に設置されたのがウッドワンの無垢の木の収納「カベツケ」。モニター下に設置したのが「ユカオキ」だ。

床・壁・建具などの木質内装材からシステムキッチンなどの住宅設備機器まで幅広く取り扱うウッドワン。今春、人気商品であるフレームキッチンから派生した無垢の木の収納「カベヅケ」「ユカオキ」を採用した住宅を訪問した。施主の橋本英知(以下英知)さんと、兄でこの家を設計した建築家の橋本光秀さん(創楽建築設計事務所主宰、以下光秀)に、家づくりのプロセスと「カベツケ」「ユカオキ」を採用した理由について話を聞いた。

―橋本さんがこの家を建てようと思ったのはいつ頃のことでしょうか。

英知私は妻と子どもの3人暮らしなのですが、最初は建売か中古住宅を購入しようと思い、建築家である兄に相談したんです。

光秀「だったら、新築で家を建てたらいいんじゃない?」と半ば強引に話を進めました(笑)。

英知僕からの条件は車2台とバイクを置ける駐車場があること、横浜の勤務先にバイクで通える通勤圏内であること。土地探しを始めて1年経った頃、横須賀市浦賀に予算に収まる土地が出たと連絡があり、兄と一緒に見に来ました。崖地が迫った場所で駐車スペースも1台分しかなく、正直にいって「ここは無理だろう」と思いました。

光秀確かに条件が悪い土地でしたが、訪れた瞬間に「ここはめちゃくちゃいい場所になる」と直感しました。立地的なデメリットがあることで安くなっていたこと、それを建築でカバーできると感じ、一度図面を描いて弟に提案してみたのです。道路より家が高い場所にあったため、コンクリートでスラブを立ち上げ、下に車2台とバイク1台を置ける駐車スペースとし、その上をリビングとつながる広々としたテラスにするプランを設計しました。バイク通勤もできる範囲で、なんとか予算に収まりそうだったので、この土地に家を建てることになりました。

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左:コンクリートスラブを立ち上げた駐車場とテラス。
右:光によって表情を変えるグレーの外観。

―今回、ウッドワンの収納「カベツケ」「ユカオキ」は1階のリビングルームに採用されていますが、この商品を選んだ理由をお聞かせください。

光秀プランについては一任されて設計したのですが、彼が唯一希望したのが「1階のリビングには大きなテレビを壁付けしたい」ということ。そこで設計の段階からテレビを設置するために壁には下地を入れてビス留めができるようにしていました。リビングの収納は住みながら既製品を探していくつもりでいました。

英知2020年初夏に家が完成して、収納家具を買おうと考えていた矢先に、兄からウッドワンのモニターキャンペーンの話を持ちかけられました。
それまでにさまざまな家具屋に出向いて壁面収納家具を探していたのですが、気に入ったものが見つけられなかったんです。「カベツケ」「ユカオキ」の天板サンプルを触り、無垢の高級感や温もりを感じられて一目で気に入りました。

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リビングの前には開放感いっぱいのテラスが広がる。

―住宅はすでに完成後でしたが、既製品の壁面収納を取り入れることに抵抗はなかったのでしょうか。

光秀その心配はまったくありませんでした。ウッドワンはフレームキッチンが有名で、いつか使いたいなと思っていましたし、建材では、浮造仕上げの特殊な建具に面白いものがあり、これまでも使っていたんです。なにより既製品の建材の中ではコストパフォーマンスがいいので、ウッドワンの製品には好感を持っていました。それと弟の自邸はグレーと黒と木を基調としたカラースキームで内装デザインをしていたので、「カベツケ」「ユカオキ」の黒いスチールパイプと3種類の樹種から選べる天板や棚板の組み合わせは、インテリアに調和するはずだと確信を持っていました。

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木とグレーと黒を基調としたインテリアに調和する「カベツケ」と「ユカオキ」。

光秀私は普段住宅以外に店舗の設計も行なっているのですが、今回は出来るだけコストを抑えるために天井は仕上げず、梁に店舗でよく使うダウンライト用のレールを入れたり、どちらかというと無骨なアトリエっぽい雰囲気のインテリアに仕上げました。
リビングの床はサクラのフローリングで、天井は構造用合板の現し、梁はベイマツ、壁はグレーのジョリパット仕上げなのですが、「カベツケ」「ユカオキ」を設置してみると、この家のために造作したかのようにぴったりと調和しました。

―「カベツケ」「ユカオキ」を施工する上でのポイントを教えてください。

光秀YouTubeに施工動画がアップされているので、安心して施工できました。
フレームの高、木製カウンターの間口は選択可能です。連結できるユニットがあるので好みの間口まで広げることができます。今回は、壁面の間口から寸法を割り出し、「カベツケ」「ユカオキ」のフレームは5本として、上下の位置を合わせて縦のラインが美しく揃うようにプランニングしました。
カタログには推奨配置プランも書いてあるし、ウッドワンさんに設置サイズを伝えると、それに合った寸法を提案もしてくれますよ。

英知「ユカオキ」には、強度保持用の補強がついているので、構造的にも安心です。物を置いてしまえば見えないので気にもなりません。

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左:「カベツケ」は下地にビス留めで設置する。棚板の一部はフレームと固定することで地震でも動かないような安全設計となっている。
右:「ユカオキ」の独立タイプには強度保持用の補強板の背板が1箇所入る。

―実際に「カベツケ」「ユカオキ」を使ってみた感想をお聞かせください。

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家づくりの思い出を語る
兄・橋本光秀さん(左)と弟・橋本英知さん(右)。

英知私は家の中で1階のリビングが一番のお気に入りの場所なのですが、壁面収納ができたおかげでパソコンをおいてちょっとした作業もできて、ますます好きな場所になりました。妻も「この収納に似合う収納ボックスを置きたい」と雑貨探しを楽しんでいます。息子も収納にお気に入りのおもちゃを並べて遊んでいます。扉が付いていない収納だから圧迫感も無く、収納物のレイアウトを柔軟に変えられるのもポイントですね。

光秀今回は住宅で「カベツケ」「ユカオキ」を使ってみましたが、店舗にも使えそうな商品だと感じました。私は、ヘアサロンの設計をすることも多くて、お客様がよくカウンターの上にカラー剤やヘアケア用品などを置ける収納棚が欲しいと希望されるケースが多いんです。聞けば、水、汚れにも強く作ってあって、水周りにもおすすめだとか。同じシリーズで、天井付けができる「テンツリ」という収納棚もあるそうなので、条件が合えば提案してみたいですね。


取材・文/梶原 博子
撮影/大倉 英揮
※2021年4月時点の情報です。最新の情報とは異なる場合がございます。

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