リビングデザインセンターOZONEには建材、家具、住宅設備など住関連に関わる約30のショールームが集まっています。また、お客様一人ひとりに合わせた家づくりをご提案するサービス「OZONE家design」 では、経験と実績、デザイン力を備えた建築家を住まいづくりのパートナーとしてご紹介しています。
「OZONE家design」登録建築家 がOZONEのショールームの商材を実際に採用した物件をご紹介する本コラム。OZONE6Fにショールーム「ウッドワンプラザ新宿」を構えるウッドワンの製品を数多く採用している、遠藤誠建築設計事務所の遠藤誠さんにお話しを伺いました。
―リビングデザインセンターOZONEの活用のスタイル
遠藤誠建築設計事務所では、ウッドワンプラザ新宿をはじめ、リビングデザインセンターOZONEのショールーム商材を数多く採用されているそうですが、そもそもOZONEとの出会いやその利用方法は、どのようなものなのでしょうか?
遠藤 以前は、公共建築・商業施設中心の坂倉建築研究所に所属していたんですが、その頃はザ・コンランショップやショールームをたまに覗いたりするくらいでした。2009年に独立して住宅設計中心の事務所を設立したんですが、それ以降は頻繁に使わせてもらっています。住宅を中心に扱っている建築家にとって、OZONEのように一か所に多くのショールームが集まっている場所があるのは、やはりありがたいですね。何かで新宿を訪れたときにまとめて見たりしています。施主の方と一緒に訪れることも多いですね。キッチンを見たついでに、じゃあフローリングも見ていきましょう……というように。こちらで選んだものを一方的に「どうですか?」と提示するのではなく、実際にショールームでサンプルに触れてから決めてもらうことを、事務所としても推奨していますので。
―ウッドワンの無垢材へのこだわり
OZONEのショールームの中でも、特に「ウッドワン」の製品を数多くの物件で採用されていますが、その理由などがあればお聞かせください。
遠藤 事務所の方針として自然素材を好んで使っていますし、お客さんにもお勧めしたいと考えています。自然素材は施工やメンテナンスに一手間必要ですが、その分味わいが深く、10年20年を経ても風合いが増していく様子が楽しめます。要は、施主さんにとっての一世一代の買い物として、また、設計を担当する私たちにとっても、せっかく建てる住宅は末長く美しく使ってほしいという思いがあるわけですが・・・
その点で、「ウッドワン」の製品は、遠藤さんや設計事務所の方向性とも合っているということでしょうか?
遠藤 そうです。ウッドワンさんは無垢材へのこだわりや環境への配慮が行き届いていると感じています。特に無垢材の扉のキッチンをお勧めすることが多いですね。お客さんの側も、そういう自然素材嗜好をお持ちの方が増えてきていると感じますし、だからこそ当事務所を選んでいただいているということもあると思います。ウッドワンさんの製品を何度か使わせてもらっているうちに、事務所のホームページにも採用事例写真が増えてきました。新しいお客さんがそれを見て、こういう方向で行きたいと指定してくださることも少なくありません。これまで10棟ほどの住宅設計でウッドワンさんの製品を採用させてもらいましたが、ほぼキッチンや洗面台などの水回りです。そのうち半分くらいが事務所のホームページをご覧になってお問い合わせをもらったお客さんですね。残りは「OZONE家design」や、所属しているその他の団体からご紹介いただく物件、工務店さん側から逆に問い合わせをいただくようなパターンでしょうか。リップサービスするわけじゃありませんが、特に性能や耐久性が思ったよりも良くなかったとか、お客さんからクレームが来たようなことは、これまで一度もありませんね。
●ウッドワン SU:IJI(スイージー)
OK50(クリア塗装)P型/W2575 + OK50(クリア塗装)収納庫
オーク材の美しい木目を絵画に見立て、框(かまち)で囲んだデザイン。
凛とした表情で佇み、キッチン空間から上質な時間が流れます。
・無垢落し込み框組
・フラットパネル
・框材:オーク無垢材
・鏡板:オーク幅はぎ集成材
・塗装:特殊ウレタン塗装
―コロナ禍をめぐる住宅のあり方の変化
ここ数年にわたるコロナ禍の前と後とで、住宅設計に対するお客さんの要望や嗜好に、なにか変化があったりするのでしょうか?
遠藤 壁でいうとクロスではなく珪藻土や漆喰への注目、床でいうとフローリング一辺倒から、タイルも含めた多様な素材が求められるようになってきたと感じています。さらにアレルギーの問題などで一時避けられがちになっていたカーペットが復活しつつあるようにも思います。ただし、テラスからタイルが続いているような空間にいきなりカーペットというわけにはいかないので、ある程度、そのための囲われた空間が必要になりますけど。
―リビングの光や空気を大切に
遠藤さんの設計事例写真を見ると、それほど敷地は広くないのに、内部がとても広く見える印象ですが、設計上の工夫や心掛けていることなどはありますか?
遠藤
やはり流動性のある空間を意識して、なるべく部屋を仕切らないように心がけています。超都心の小さい物件や、3階建ての狭小住宅などはあまり手掛けたことがなく、都市部でも中庭のあるコートハウスを目指すことが多いですね。中庭を囲って開口部を大きく取って明るく光を入れるとか、OZONEのショールームのSWANTILEさんのタイルを使って中と外を連続的につなぐとか、そういうケースが多いので広めに見える物件が多いかもしれませんね。フローリングを長手方向に使うことも心掛けています。そのほうが空間がつながってより広く奥行きが深く見えるので。そして部屋の仕切りは開き戸ではなく引き戸、しかも吊るだけで床にレールを使わない施工にして、床の連続性を出して広く見せるような工夫もしています。
それから作品事例写真でも、私は外観よりも暮らしの中心になるリビング・ダイニングの光や空気を感じてもらえるような写真をあえて選ぶようにしています。物件名もなるべく淡々とした表記にして、設計上のコンセプトが前に出すぎないようにしています。デザイナーの意図や存在感が消えていることが私の理想なんです。そういう気持ちで作っているのが、素材や商材選びにもなんとなく反映されているんじゃないでしょうか。
設計期間だけのお付き合いではなく、土地探しから設計、建築施工、家具選びまでの家づくり全体をトータルにサポートすることを理想としたいと語る遠藤さん。自然素材を大切にする設計スタイルや、住まう空間の光や空気をより大切にする姿勢、その共感の輪がお客様にも広がっていく様子なども含め、これまでの「建築家」の概念を超えていくような活動の姿に、今後も注目です。
※2023年3月時点の情報です。最新の情報とは異なる場合がございます。
OZONE家design 登録建築家 遠藤 誠
遠藤誠建築設計事務所
住宅にはまず使う人がいて、敷地があり、それをとり巻く自然環境、社会環境、経済環境などさまざまな条件があります。そこに在るべき住まいの姿とは?それは建築家の頭の中にあるのではなく、すでに存在している。設計という作業はそれを住まい手と一緒になって探し出すことであると考えています。
(※)OZONE家design 登録建築家とは
お客様の理想の家づくりを第三者の立場からサポートする「OZONE家design」では、OZONE独自の登録基準を満たした建築家をお客様の住まいづくりをお手伝いするパートナー会社としてご紹介しています。