限られた敷地を生かしつつ 配慮と質感に満ちた強い家 〜OZONE家designの事例から〜

床を一段下げたキッチン。奥行きのあるカウンターは造作のチェア使いで、朝食用のテーブルとしても活躍。

  • 東京都
  • 家族構成:夫45歳 妻46歳 長男6歳(取材当時)
  • 竣工:2018年10月

3世代の触れ合いを求めて 家づくりを開始

Sさんの家が建つのは、隣家が迫る住宅地。接道は北側で東隣にはご主人の実家があり、敷地は以前、実家の貸し駐車場でした。「できたら息子は両親と触れ合う中で育てたい。またお互いに助け合えたらと、敷地を借りて家を建てることを相談しました」(ご主人)。
両親は快諾し、計画開始。南北に細長い約29坪の敷地に、周囲と同じ3階建て住宅を予定しました。「建築後も実家の採光が保たれるのは必須でした」(同)。建築の仕事に就くご主人は、元となる図面を作成。これを実現してほしいと、コンペで選んだ田中工務店に設計・施工を依頼しました。

隣の実家に光がよく届くよう 建物に“抜け”をデザイン

間取りは1階が客間、2階がおもな生活空間、3階が寝室と子ども室。光が実家へ届くよう南側の高さを抑え、“抜け”となるような位置に中庭を設計しました。ただ、中庭は細長い建物にくびれをつくるため、高い耐震性を得るには水平構面(床面)の確保が課題に。工務店は構造計算上、建物を分割して様々検討し、安全性を確認。壁量も満たし、耐震等級は最上ランク3を十分に満たしました。

豊富な外部空間はコミュニケーションにも活躍

中庭をはじめ2階と3階のデッキスペース、屋上と、外部空間が豊富なS邸。これらは庭としての機能を持ち、上下、さらに隣の実家ともコミュニケーションを取りやすい設計です。2階のデッキからは、実家の気配もさりげなく感じ取れるそう。「デッキ越しに母と会話することもしばしば。様子も分かって安心します」と奥さま。

畳や無垢の木材の活用で質感もたっぷり

建物を入ってすぐ魅了されたのは、玄関内部の畳の香り。居間も畳敷きでくつろぎやすく、キッチンとは段差でつながり、食事の際の連携もスムーズです。また使用した無垢の木材が種類豊富なのも特徴。「強いだけでなく、質感のある家ができて満足です」と夫妻は語ります。
将来、足腰が弱った場合なども考慮し、1階和室は夫妻の寝室にする備えも。木材などの経年も暮らしの変化も楽しみなお住まいです。

ご主人が作成した模型。家の形状も、建て込んだ環境などもよく分かります。「図面も模型づくりも楽しい!のひと言でした」とご主人。

3階と2階のバルコニーで向かい合うご一家。写真下方は中庭で、外部空間全体が東隣にある実家(写真左側)への光や風の通り道として機能します。

2階の居間は、畳の床、自然素材由来のクロスやケヤキの収納棚カウンターなどの豊かな質感が魅力的。空間は北側に位置するため、吹き抜けで採光性を大幅アップ。

実家との間に敷地内通路をつくり、郵便受けや玄関は通路側に。実家と行き来しやすいのはもちろん、前面道路から丸見えにならず、セキュリティ面でも安心。

出入りのたびに中庭の緑が目に入る玄関部。板張りの軒天や玄関ドアが外観にアクセントを効かせます。

中庭では、シンボルツリーが空へ向かって成長中。外壁には白っぽいガルバリウム鋼板で、反射光が室内に明るさをもたらす効果も。

玄関は洗い出しの土間、アサダの上がり框、洋桜の敷台、畳敷きの廊下と、自然素材で統一。「美しい木目に見入ることも多いです」とご主人。

空からの光をLDKに届ける吹き抜け。3階の吹き抜け回りに見えるのは、造作のカウンターデスクをつけた家族共用の読書コーナー。

プライベートゾーンの3階。吹き抜け回りのゆったりとしたスペースにデスクと書棚を配置。白い壁の内部は子ども室で、廊下の上に見えるロフトに通じます。

ロフトで読書中の長男。吹き抜けの設置で4畳弱と狭くなった子ども室は、ロフトで広さを獲得。「もうすっかりお気に入りです」と奥さま。

2階南側の浴室はハーフユニットバスを用い、壁や天井は水に強く香りもいいサワラ材張りで仕上げた。洗面室はカウンター下をオープンにして軽快な雰囲気。

家づくりカレンダー

2016年春頃

家づくりの計画に本腰を入れる

家を建てることになり、OZONEに話を聞きに行く。「息子の小学校入学までに間に合うよう、それまで2年半。余裕はありつつそろそろ本腰をと訪ねました(ご主人)。ビルの設計の仕事に就くご主人は、その後様々検討し、基本計画を進めた。

20172

OZONEにサポートを申し込む

設計図、さらに家の模型もつくったご主人。これを形にしてくれる工務店を紹介してほしいと、OZONEにサポートを依頼。「住宅密集地の環境に強く、全体的に高い技術を持つ工務店が必要でした」。

20175

面談を経てコンペを実施

3社の最終候補からさらに2社に絞り、コンペを実施。田中工務店にほぼ決めつつ、施工例を見学する。「施工例では多彩な木の質感に触れることができ、感動しました」とご夫妻。

20177

設計・施工を正式依頼

施工例を見て確信を深め、田中工務店に正式依頼。設計を詰め、実施設計へとコマを進める。また、自分の家に使う木材がどこから来るのか、和歌山の製材所を家族で見学する貴重な体験も。

20184

待ちに待った工事がスタート

いよいよ着工。「週末ごとに見学に来ていました。大工さんたちとも顔なじみになり、プロの話を聞くことができたのもいい思い出」とご主人。

201810

入学の半年前に竣工! 新生活が始まる

無事に竣工を迎える。「広い居間は、20人もの友人とカニパーティーをするのに大活躍でした」と奥さま。入居以来、長男のお迎えは父が担当。実家も「孫効果」でにぎやかになったそうだ。

コンサルタントからのコメント

建築のプロであるS様は、ご自身で家の基本設計を作成。「やってみると、ビルを建てるのと住宅では何もかも違うと実感しました」とおっしゃったのが印象的でした。強度や快適性、機能性などはもちろん、周囲への配慮も不可欠な住宅建築。これを高い技術で実現し、質感も豊かに仕上げた工務店をご紹介でき、うれしく思います。

DATA

敷地面積 95.40m2(28.90坪)
延床面積 132.06m2(39.87坪)
構造 木造軸組工法
竣工 2018年10月
設計 田中工務店
施工 田中工務店
撮影 大槻茂
テキスト 田中敦子
敷地面積 95.40m2(28.90坪)
延床面積 132.06m2(39.87坪)
構造 木造軸組工法
竣工 2018年10月
設計 田中工務店
施工 田中工務店
撮影 大槻茂
テキスト 田中敦子
協力:住まいの設計(扶桑社)

OZONE家designとは

OZONE住まいづくりコンサルタントが、お客様の叶えたい暮らし、想い描く住まいのよき理解者として、最適な家づくりのプロセスをご提案します。様々な知識が必要な家づくりにおいて、設計者や施工者のペースで進められがちなコミュニケーションもしっかりフォロー。お客様が主役となる、納得感と満足感のある「家」を実現します。

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