「椅子の人間工学」を元に開発された、日本人に向けた『腰に優しい椅子』

6F「腰の椅子」 Awazaギャラリー

井上 昇
テキスト:杉江あこ/撮影:根田拓也
2017.7.31

世の中にはたくさんの椅子があるけれども、どんな椅子が本当に自分に合っているの?そんな疑問に応えてくれるのが、ショールーム「『腰の椅子』 Awazaギャラリー」です。代表で椅子デザイナーの井上昇さんにお話を聞きました。


chairtable_syo01.jpg『腰の椅子』 Awazaギャラリー」は、井上さんのオリジナル家具ブランド「Awaza」シリーズが並ぶショールームです。Awazaのコンセプトは「腰に優しい椅子」。なぜ、腰に優しいのでしょう? それは人間工学を取り入れて開発された椅子だからです。人間工学とは、人間のさまざまな寸法や動きを測り、実験データを取り、数値化した学問のこと。椅子をデザインする際に、座面や背面、肘かけの幅や奥行き、高さ、角度などを決めるのに役立てられています。Awazaの座り心地の良さは、まさに人間工学から導き出されているのです。

「家具の中で最も身体に密着して使用する椅子は、下着、上着に次ぐ“第3の衣服”と言われています。つまり衣服のように、自分のサイズや体型に合ったものでなければなりません。そもそも椅子は欧米で発達したものなので、世の中に出回る多くの椅子が、欧米人のサイズや体型に合わせてつくられています。しかし日本人は欧米人と比較すると、小柄で、胴長短足。したがって日本人のサイズや体型に合わせた椅子が必要になります。Awazaは、日本人の人間工学に基づいて、日本人のためにデザインしているのです」と井上さん。

日本人のための人間工学とは具体的にどんなことでしょう。「例えば、座面の高さは身長の1/4+1センチメートルが最適。座面は広く、傾斜は緩やかな方がいい。背面は腰をしっかりと押さえ、背骨をS字状にサポートするのが理想です。肘かけは手の平を載せてちょうどいい高さで、出入りの際に邪魔にならない短めがおすすめです」と井上さん。

chairtable_syo02.jpgこうした考え方から、Awazaでは、使う人の身長に合わせて椅子の脚の長さを調整するカットサービスを行っています。「人間の身体を健康に保つことが椅子の役割です。椅子は脚、座面、背面、肘かけから構成されていますが、私は中でも背面の形状が最も大切だと考えます。背骨の支柱には脳に通じる神経が通っているので、背面は身体の重要な部分を支えるという役割があります。だから、腰に優しい椅子をコンセプトとしました。Awazaの椅子は、3次元カーブの背面が骨盤の上部をしっかりと支えるつくりになっているので、実際に腰痛持ちの人やヘルニアを患う人から感謝されることが多いんですよ」と井上さん。

井上さんは日本を代表する椅子デザイナーで、椅子のデザインと製造、販売を行う会社、いのうえアソシエーツを経営しています。また、椅子のデザイン教育を目的にした「椅子塾」を主宰していることでも知られています。かつては岡村製作所の開発部に勤務し、独立した後は、コクヨやイトーキ、天童木工などの家具メーカーで多くの椅子の開発に携わってきました。その生産総数は400万台を超えます。

「家具の用途はオフィス、パブリック(ホテル、レストランや病院等の公共施設)、ホームの3つに分かれますが、最も多くの開発費をかけ、最先端の技術でつくられるのがオフィス家具です。私はその現場に何十年と携わってきました。椅子をデザインするうえで大切なのは、形の美しさもありますが、何より人間工学です。日本では千葉大学教授だった故・小原二郎さんが研究した人間工学が知られていて、私はかつて小原さんに学びました。私が椅子をデザインする際には、ずっとそれが生かされています」と井上さん。


『腰の椅子』 Awazaギャラリー」は椅子づくりのプロに話を聞ける場であり、またサイズオーダーを利用して自分の身体に合った椅子が手に入れられる場。興味のある方は、一度ショールームを訪れてみてはいかがでしょうか。

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