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暮らしのかたち

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※2020年2月1日(土)より営業時間が変更となります。
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東京都新宿区西新宿3-7-1新宿パークタワー内
リビングデザインセンターOZONE 5F
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島崎信コラム「実にいい、暮らしの道具 」vol.7 世代を超えて愛され続けるボーエ・モーエンセンのデザイン

Column

Mogensen_05.jpg 北欧デザイン研究の第一人者であり、 生活デザインの提唱者として幅広くしられる島崎信(しまざき まこと)先生。 その島崎信先生に、“地に足をつけた暮らし”をつくりだす道具に ついてお話しいただくコラム「実にいい、暮らしの道具」。
毎回テーマを決めてお届けしていますが、 今回のテーマは、「世代を超えて愛され続けるボーエ・モーエンセンのデザイン」です。

現在暮らしのかたちでは「デンマークが誇るFREDERICIAのソファ」と題し、 デンマークを代表する家具の老舗ブランド“フレデリシア”に焦点を当てた 展示イベントを開催中。(※〜10/1まで) そこで、フレデリシアで多く家具を発表しているデザイナー “ボーエ・モーエンセン”についてお話いただきました。

Mogensen_02.jpg ― 師、コーア・クリントの教え
ボーエ・モーエンセンは、デンマークのユトランド半島の最北、オールボーという木材の豊富な町で1914年に生まれました。
モーエンセンのキャリアは、家具職人の弟子として基礎的な技術を身につけることからスタートします。
1936年からはコペンハーゲンの芸術工芸美術学校で、さらなる技術やデザインを学び(そこでは生涯の親友となるハンス J. ウェグナーと出会います)、 1938年には、王立芸術アカデミーに入り、デンマーク近代デザインの父とも呼ばれている コーア・クリントに師事しています。そこでクリントからさまざまなことを学びました。

コーア・クリントは、いくつかの古典家具をリ・デザインして今日に残していますが、その過程において、 人々の生活を徹底的に研究し、日常を計測化しました。身長や座り方はもちろん、 標準的な4人家族の食器類やその寸法、それらを収納するには、どういう寸法の棚が良いかなど。 生活の実態を調べつくすことにより、機能的で使い勝手の良い家具をデザインしたのです。 こういった実直なモノづくりによって、今なお受け入れられるデザインが生みだされたと言えるでしょう。

―「スモールデザイン」と「ビッグデザイン」
さて、そもそもデザインには、「スモールデザイン」と「ビッグデザイン」があります。 すでに完成している機能に対し、見た目をどういったデザインにするか、意匠を考えるのが「スモールデザイン」。 その機能や仕組みそのものを考えるところからスタートするのが「ビッグデザイン」です。
例えば、 “ペットボトル”というプロダクトがあって、他との差別化を図るために、 どういう色やかたちにするかを考えるのが、「スモールデザイン」。 一方、“ペットボトル”というコストパフォーマンスも良く、運搬時の衝撃にも耐えられて、 簡単に持ち運べる‘飲料水用の容器’の仕組み自体から考え、デザインしてゆくのが「ビッグデザイン」です。
モーエンセンは、クリントのもとで、こうしたビッグデザインの考え方を学びました。 そして、個性の表現よりも、まず人間の過去にある英知を勉強し、それをリ・デザインすることによって デザインの根源を学んだのです。リ・デザインとは、先人がデザインしたものを研究し、 それを手本にして、時代や暮らし方にあったフォルムや製造技術、材料を使って改めてデザインすること。 単なる模倣ではなく新しい価値を生み出している点で、コピー品とは大きく異なります。

― モーエンセンによるリ・デザイン
Mogensen_03_J39.jpg モーエンセンは、1942年デンマーク生活共同組合連合会 (FDB) 家具部門の開発責任者となりました。 そこで発表したデザインにJ39があります。 これはシェーカー教徒が製作していたシェーカーチェアをリ・デザインしたものです。
戦後の占領下でクッション材が無く、紙を三枚によってペーパコードをつくり、座面を貼っています。 材料は出来るだけ少なく、加工もシンプルに、構造的に丈夫で、座り心地が良くて、しかも美しい。 使い手のことを徹底的に考え、生活者の視点で作った近代産業で求められるすべてを兼ね備えています。

Mogensen_04_Spanish.jpg 1950年に独立し設計事務所を立ち上げてからは、ほとんどの家具を最高品質として評されている デンマークの家具メーカー“フレデリシア”で製作しています。 そこで発表されたのがスパニッシュチェアです。
デンマーク人は、立地的に温かく、まばゆいばかりに輝く日の光を求めてスペインなどに旅をすることが好きなんです。 モーエンセンが、その旅先で出会った伝統的な一枚革の椅子をリ・デザインして生まれたのが『スパニッシュチェア』です。 当時、自動車の台頭によって職を失った馬具職人の革の技術を活かせる椅子を作りたい、という モーエンセンらしい想いもあったようです。

― 愛され続ける椅子
J39_01.jpg このようにモーエンセンは、古典を学び、それを自身で消化することで、その時代に合うデザインを残してきました。 それは既存デザインに対する挑戦であり、自信の表れでもあったと言えるでしょう。
実際にその挑戦は成功しています。『J39』は、今でもデンマークにおいて別名:国民椅子と呼ばれるほど 愛されていて、デンマークのカフェやオフィスなど、いたるところで目にします。 このように、リ・デザインから生まれたプロダクトは、今でも世界中でロングセラーとして愛されているのです。

過去のコラム一覧はこちら

「デンマークが誇る FREDERICIA のソファ 〜モーエンセンの想いを受け継ぐモノたち〜」
開催期間:2019年6/27(木)〜10/1(火)※水曜定休 および8/13(火)〜16(金)夏期休業

※展示・企画・キャンペーンなどの内容は変更になる場合がございます。
※商品の在庫や販売方法につきましては、暮らしのかたちへお問合せください。
※ページ中の画像はイメージです。

島崎 信(Makoto Shimazaki)
makoto shimazaki.jpg
武蔵野美術大学名誉教授。1956年東京藝術大学美術学部卒業。1959年デンマーク王立芸術アカデミー建築科修了。 王立芸術アカデミーのオーレ・ヴァンシャー教授のもとで研究員として家具デザインを学び、 ハンス・J・ウェグナー、フィン・ユール、ボーエ・モーエンセン、ポール・ケアホルムらデンマークのデザイナーたちと交流。 北欧デザイン研究の第一人者であり、生活デザインの提唱者として国内外でインテリア、プロダクトデザインに関わるほか、 家具・インテリアデザインの展覧会やセミナーの企画も多数手掛ける。

2019/07/23 更新

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