見積書のチェックポイント

2016.03.03

■見積書の仕組み

最終決定した設計図面と仕様書を基に、その建物を建てるために必要な費用を算出し、それを工事項目ごとに表示した書類を見積書といいます。工事請負契約を交わす際、契約書に表示された工事金額を裏付けする資料として、必ず見積書が添付されます。

見積書は、法的に決められた書式がありませんので、会社ごとに表現方法が違っています。

住宅メーカーの場合は、モデル化されているため、本体工事に関しては細かい工事項目や仕様の表示は省略されています。見積書には標準本体工事費として一括の数値が記入され、標準仕様とは異なるオプション工事や追加変更工事についてのみ、工事種別に金額が記入されているようです。標準価格と仕様が規格化されているため、設計とほぼ同時に見積書を完成させることが可能になっています。

工務店の場合は、表紙に総工費、次に工事項目別の集計金額、そして各工事項目ごとの内訳明細書という構成になっています。工務店によってはメーカー同様に、標準仕様を定めて効率化を図っているところもあります。

◎見積書の依頼の仕方

施工業者に見積もりを依頼する時期は、概算見積もりの場合は基本設計終了段階、内訳明細書付きの実施見積もりの場合は実施設計終了段階です。実施見積書作成のためには、実施設計図書と仕様書が必要になります。内外装の仕上げ材や設備機器に関しては、色や品番までの決定は後でもかまいませんが、グレードだけはこの段階で決定しておく必要があります。

数社の施工業者に見積もりを依頼する場合は、必ず同じ内容の資料を同じ時期に渡しましょう。業者ごとに資料の内容が変わってしまうと、公正な比較検討ができなくなります。また、見積もり作成中に設計内容の変更を申し出ると混乱を招きますので、なるべく避けたいところです。


■見積もりの種類

◎概算見積書
概算見積書というのは、希望している規模やデザインの家が、予算内に納まるのかどうかの目安となるものです。家の規模や工法、大枠の間取りや外観が決まった段階で、過去に施工された類似の建物の建築費を参考に算出されます。その表現方法として坪単価のみで提示される場合から、工事項目ごとに一式の費用を算出し、その合計工事金額で提示される場合までさまざまです。より細かく表現されているほうが、実施見積書とのギャップが少なくなりますが、概算見積書をうのみにするのは危険です。あくまでも参考と考え、慎重に進めましょう。

◎内訳明細書付きの実施見積書

実施見積書は実施設計図書と現地調査に基づいて算出されます。状況にもよりますが、提出までにはおよそ2〜3週間かかることも多いようです。この実施見積書の金額と内容で、施工業者は工事を請け負うことになります。実施見積書の構成は、総工費、工事項目別の集計金額、工事項目ごとの内訳明細と先に進むにつれ、細かく表現されています。作成する際は全く逆の手順で進められますので、実施見積書作成というのはひとつひとつの材料と、それを施工する手間代の集積であるといえます。特に内訳明細書の内容がより詳細で、より明確であれば、その施工業者は信頼できるといってもよいでしょう。反対に、単価や数量を書かずに一式で表現する項目の多い見積書は要注意です。


■相見積もりについて

同じ設計内容で数社に見積もり依頼することを、相見積もりを取るといいます。最初から信頼のおける施工業者を1社に絞り込むというのもひとつの方法ですが、できれば2〜3社の施工業者に同じ条件で見積もり依頼をして、比較検討することをお勧めします。

相見積もりを取る場合は、各業者にその旨を伝えておくのがルール。相見積もりを取るいちばんのポイントは、工事費の適正価格を把握することです。1社だけでは、工事費が世間一般の工事費と比較して、高いのか安いのかが判断できませんが、数社からの見積もりを比較することで、目安となる金額が見えてきます。
ときどき複数の業者を競わせて、常識を越えた値引き交渉をするために相見積もりを取る人がいます。質を落とさなければ対処できないレベルの値引きを施主から要求された場合、適正な業者は手を引き、そうではない業者が残ってしまうということにもなりかねません。


■見積書の見方


016_03.gif◎表紙の見方
見積書の表紙には、工事名称、工事場所、工事金額、作成日、施工業者名称、作成者、見積もり有効期限、見積もり条件などが記載されています。

ここで重要なのは、工事金額に消費税が含まれているかどうかと、見積もり有効期限、見積もり条件の内容の確認です。工事金額に消費税込みで記載される場合と、消費税の欄が別になっている場合があります。

見積もり有効期限は、基本的には作成日から1カ月以内となっているケースが多いようです。見積書を受け取って1年後に着工という場合は、いくら同じ内容の建物でも、見積もり有効期限を過ぎていますので、再度見積書を作成してもらう必要があります。

見積もり条件には主に、見積もりに含まれていない別途工事についての記載がされています。ここでは、何が含まれていないかを確認しましょう。それ以外に、会社名に必ず社印が捺印されているかどうかも確認しましょう。

◎内訳明細書の構成
内訳明細書には、仮設工事から諸経費の項目まで、工事の内容別に約20項目の工事名称が記載されています。それぞれの工事項目ごとに、工事内容(規模、寸法、仕様など)、数量、単価、金額、備考が具体的に列記されています。たとえば、寸法や仕様の記載がないのに金額だけが決められていたり、数量や単価の記載がなく一式という表現になっていたりした場合は、その内訳明細書は意味をなしませんので、それを作成した施工業者に再度、明細を求めましょう。

◎内訳明細書のチェック方法
施工業者から提示された見積書、中でも内訳明細書は専門用語や数値の羅列で、眺めていておもしろいものではありません。しかし、これが家の質や価値を左右する重要なものとなりますので、慎重にチェックしましょう。

まず、施工業者から見積もりを提示された時は、ただ受け取って表紙の総額を見るだけではなく、各項目ごとに細かく説明を受けましょう。わからない用語や単位が出てきたら、そこで必ず質問をし、答えをもらいます。ひと通りの説明を受けた後は、自分でもう一度設計図書と仕様書を基に、内容を確認します。総額や単価だけではなく、数量の欄まで目を通すことが重要です。

工事費が高いか安いか、適正なのかを判断するのは非常に困難です。自分でできるチェック方法として、市販されている積算資料を参考に、単価の確認をするとよいでしょう。また、そのような資料には必ず構造別の住宅の標準コストが出ており、工事種別ごとの工事費の比率が記載されていますので、参考にすることもできます。

016_05.gif◎工事中の追加変更

工事竣工後に追加工事費の請求をされ、その金額の大きさに驚き、トラブルになるケースが少なからずあります。工事中に現場を見て収納を増やしたり、雑誌などの情報からワンランク上の床材に変更したりと、工事中の追加変更が大きな落とし穴になっています。

工事中の追加変更は、既に購入してしまった材料が無駄になったり、施工によけいな手間が掛かったり、最悪の場合は既に工事が終わっている箇所を壊さなければならなかったりと想像以上にコストはかかるものです。このような事態を避けるためにも、工事請負契約時までに綿密な打ち合わせをして、変更がないような設計図書を作成してもらうよう心がけましょう。また、やむを得ず工事中に追加変更をおこなう場合は、現場の職人さんに直接お願いするのではなく、その工事の責任者に書面で伝えます。その際、そのためにかかる追加金額や工程の変更については、書面で確認の上、発注するかどうかを決めましょう。



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