2016年9月15日

唯一無二の島

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あっという間に9月となり、学生たちの通学姿が目に付くようになってきました。皆さんは夏をどんな風に楽しまれましたか。

私は今年の夏、長崎に旅行へ行ってきました。子どもの頃に行ったことはあったようですが、物心ついてからは初めて!ということで、自分の中では初の長崎です。
中でも楽しみにしていたのが2015年に「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」の一つとして世界文化遺産に登録された軍艦島(端島炭鉱)です。

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この軍艦島は良質な石炭が採れたことから、最盛期には5,000人以上が島で生活をし、日本初の鉄筋コンクリート造のアパートが建設されたところです。石炭産業の衰退と共に1974年に閉山となり、今では無人島となっています。

島には船で向かいましたが、40年以上も無人となった島が見えてくると、とても不思議で奇妙な気分になります。行く途中にある他の島々とは異なり、遠くから見ても明らかに緑が少なく、グレーのコンクリートの建物群が突如として目に入ってくるのです。近づいていくと、朽ち果てた建物で島全体が構成されており、目の前に見えている景色を唖然と見つめるだけになってしまいました。

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船が島を一周した後、島に降り立つことができました。見学コースは整備された道となっていますが、それ以外は今にも崩れ落ちそうな建物や、すでに崩れている瓦礫が目に付きます。ただ、不思議なことに添乗員さんの説明を聞いていると、当時の暮らしや情景が頭に浮かんでくるような気になるのです。暑い中で汗だくになりながら一生懸命に働いている鉱員の姿、元気に遊んでいる子どもたちの姿など。活気に満ちていた様子が誰も暮らしていない島から感じ取れるなんて、とても不思議な感覚でした。

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沢山ある建物の中で最も印象深かったのが、日本で初めて建てられた鉄筋コンクリート造の高層アパートである30号棟です。ここは1916年竣工の7F建て鉱員住宅。添乗員さんの説明によれば、仕事が危険であるが故に鉱員達の給料は高く、冷蔵庫や洗濯機・テレビの普及率は100%近かったとのことで、当時の高い生活水準がうかがえました。

島に上陸できるタイムリミットはあっという間に過ぎ、過去に取り残された島を出発する時間はすぐに来てしまいました。皆さまも長崎に行く機会がありましたら、ぜひ軍艦島に上陸してみてはいかがでしょうか。

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【アトム】