数カ所のイベントスペースを中心に、年間を通じて住まいやインテリア・デザインに関連した多彩な展覧会を行っています。
また、家づくりをご検討中の方からプロフェッショナル向けまで、幅広いメニューと充実のカリキュラムでセミナーも開催。
刺激や新しい視点の発見の場です。
■日進木工

日進木工のハイエンドな家具シリーズとして、川上元美さんがデザインした「YUI(ユイ)」。安定感のあるフォルムで、見た目も実際の座り心地もゆったりとしている。テーブル天板やソファアームなどの木部は、ホワイトアッシュ材をうづくりに仕上げている。

「YUI」のダイニング家具。椅子の背は木目をタテ方向で張り合わせて曲面加工するという難易度の高い加工に挑戦した。

ソファのアームと脚、テーブルの脚、キャビネットの支柱は、三角柱を組み合わせて方形をつくっている。

ショールームを訪れた川上さん。「YUI」という商品名は、白川郷で人々が相互に助け合う精神を「結」と呼ぶことに由来する。「木を慈しみ、良いものを上手に永く使う生活文化を育むために、ものづくりの精神にも『結』を束ねていく必要がある」という川上さんの思いが込められている。

柔らかな木の質感と優しい曲線のデザインを兼ね備えた「Oval(オーバル)」には、3人掛とダイニングテーブルなどが加わった。

同社で一番人気があるという「White Wood」シリーズには、LDタイプのテーブルと椅子、ソファがお目見え。このシリーズは1脚のダイニングチェアから商品を拡充してきたという。椅子はナラを主材とし、アームの先端部にはウォルナットを使っている。

「NOOK CORNER DINING」のテーブルは、昇降スライドによって天板の高さを40mm変えられる。天板は下げると同時にベンチ側から離れる形になるので、ベンチの奥に座った人も出入りしやすくなる。

ショールームの一角では、既存シリーズの新しい使い方も提案。営業スタッフが日ごろの活動を通して得たノウハウで、ユーザーの立場からのアイデアを実際に見せ、説得力をもって販売店に伝えることを目指したという。
■シラカワ
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2000年の発売以来、シラカワの人気シリーズである「RAPT(ラプト)」に、テーブルや椅子の座面を低くゆったりさせたLDタイプを追加。写真のナラ材のほか、ウォルナット材も選べる。 |

こちらも「RAPT」に仲間入りしたリビング家具。ソファは背クッションを取り外せばベッドとして使うこともできる。テーブルは大きさと高さの違う3種類を用意し、ユーザーが好きな場所に置いて自由にリビングスペースをつくれるようにと考えた。

同社は創業50周年の歩みを、年表と各時代を代表する椅子とともに見せていた。メイン会場に展示していた椅子の中では1982年発売の「ロートレック」が一番古い現役商品。いまなお売れているという。
■キタニジャパン
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キタニはフィン・ユールをはじめとする北欧デザイナーの家具をライセンス生産している。デンマークの女性デザイナー、故ナナ・ディッツェルの家具もそのラインナップのひとつ。シンプルななかに温もりのある彼女の家具の魅力を広く伝えたいと、今年、ショールームに「ナナ・ルーム」を新設した。写真手前のスペースでは、ラグと2人掛でリビングをつくることを提案している。 |

ダイニングテーブルと椅子の脚は、どちらも丸い断面から四角の断面へと線が連続するようにデザインされている。左の子ども椅子はナナが自分の娘のためにデザインしたもので、新しくキタニの商品に加わった。テーブルウェアやナプキンリングも彼女のデザインで、こちらも間もなく発売予定。

ショールームにはもうひとつ、「ガーデン・ルーム」も新設。ここではキタニのオリジナル家具を展示している。写真奥の竹籠のような形のイージーチェア「JUN-02」は蒲原潤さんのデザイン。座にバネを用いて弾力性を高めた。

こちらもキタニのオリジナル家具として蒲原潤さんがデザインした「JUN-01」。「JUN-02」とともに、今年2月にストックホルムで開かれた家具展示会で発表した。観音菩薩の腕のラインを思わせるように、脚の上端がやや外向きになっている。

ショールームのメインルームでは同社のさまざまな家具が見られる。北欧のテーブル天板やキャビネットの扉は、無垢材ではなく突き板を用いることが大半だ(しかもブックマッチで)。それは、木目もデザインのひとつの要素としてコントロールするためだという。
■雉子舎

高山では大手メーカーだけでなく、力量ある工房の家具もチェックしたい。職人が原木の製材から手がけ、木の個性や美しさを最大限に引き出した家具をつくる雉子舎は、写真左の液晶壁掛けタイプのテレビボードを新しく発表した。ウォルナット製で、木の耳を活かしたボードは珍しい。一枚板のテーブルに合わせられるように、という。

雉子舎の工房は森の中にぽつんと建っていて、ニホンカモシカや小動物が遊びに来るという。木工が好きで全国各地から集まった若い職人たちが、丹精込めて家具づくりに勤しむ姿を見学できる(見学は要予約)。建物の裏手には無垢の板が山と積まれている。
■木童工房

木童工房は手加工を重視した丁寧な家具づくりで知られる。木工連が定める「飛騨の家具」ブランドであることを知ってもらおうと、そら豆型のダイニング家具「ビーンズクラシック」をはじめブースいっぱいに家具を並べていた。手前の座編み子ども椅子は、若い人が部屋の飾りとして買うほか、膝を悪くした年配の人にも好評だとか。

楕円形の座卓は新作で、写真のものは高さ180ミリ。350ミリまでの高さで製作可能。 “一人膳”を発展させ、少人数が集まって飲食を楽しむシーンをイメージしてつくった。ナラ材にうづくり加工を施していて、座卓はウレタン塗装、小物は漆で仕上げている。写真では見えないが、座卓の脚の形は展示会後に変更したという。
■ショックデザイン
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ショックデザインはデザイン事務所として唯一、以前から出展を続けている。今回発表した「X belt chair」はカイロプラクティックの専門家との共同開発によるもので、座骨と仙骨を2点で支えることにより、食事に最も適した前かがみの姿勢を軽やかに形成できる。また、内臓を圧迫することを防いで誤嚥(誤飲)などの発生も軽減。まずは福祉施設への販売を予定している。 |
■柿下木材工業所

柿下木材工業所は照明器具の木枠製作を事業の中心としているが、近年はオリジナル商品の製作にも力を入れている。写真は木製小物ブランド「Hacoa(ハコア)」と協働したという新作のキャンドルスタンド。

同社の製品では、フィンランド人デザイナーのヘイッキ・ルオホさんとのコラボレーションによって誕生した「H+(ホープラス)」がよく知られている。ブナのオイル仕上げとナラの黒塗装仕上げのほかに、今回は輪島塗りのものも展示。組み立て式なので輸出に向くのではないかと考えているという。
取材・文/長井美暁





