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実際の製造現場を見ることもできる(写真はカンディハウスの工場)。

「職人たちの道具展」と称して、各社とっておきの道具を家具センター内に展示していた。旭川の家具づくりの歴史を感じる一幕。
わが国の“脚物” 家具産地の雄、北海道は旭川市で2010年6月23日(水)〜27日(日)に開かれた「旭川家具産地展」。56回目となる今回は、市内に工場をかまえる家具メーカー約30社が参加した。家具業界からは景気の悪い話しか聞こえてこないが、メーカー各社は苦しい状況をなんとか乗り越えようと、さまざまな努力を重ねている。新作発表の場は、その一端が垣間見られる場でもある。期待を持って旭川へと向かった。
一度でも訪れたことがある向きはご存じだろうが、旭川家具産地展は本会場となる「旭川家具センター」での展示と、市内に点在する各社ショールームでの展示、両方を見ることができる。家具センターでの展示は一カ所でたくさんの家具を見ることができて効率的だが、各社ショールームに行くと新作・代表作以外の家具やメーカーによっては製造現場まで見られる。目的や滞在日数に合わせて、双方を組み合わせたスケジュールを立てるのがベストだ。
家具センターと旭川空港間には無料シャトルバスが出ている。また、プロを対象とする卸見本市の期間中(23日〜25日)は、メーカー間を行き来できる無料タクシーも用意されている。広い市内を効率よく見て回りたい来場者にはうれしいサービスだ。残念ながら滞在時間が限られていたため、ここでは家具センターでピックアップした新作を中心にご紹介する。
傾向として感じたのは、使われる場面や利用者の年齢層をより具体的に設定して開発している、ということだ。細分化したユーザーの好みにきめ細かく対応することが必須、という背景があるからだろう。そんななかで、いくつかのブースに展示されていた過去の「国際家具デザインコンペティション」入賞・入選作品は、市場分析から生まれた家具とは一線を画していて興味深かった。現実と挑戦と。この両輪があるからこそ未来を切り開くことができる。
ところで、アルフレックス ジャパンのブースがあったことに驚いた来場者は多かったのではないか。初出展となる同社は2年前に工場を旭川に設立。これまではOEMによる製造だったが、本年内を目標に、ソファを中心とする“箱物”以外の家具の内製化を進めている。「家具メーカーが集積することに地の利を感じて、ここに工場をつくった」という一言からは、旭川の底力が窺えた。
■アルフレックス
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初出展の挨拶代わりということで、新作はダイニングテーブル(OEM)だけだったが、同社が主力とするリビング家具をゆったり展示して、そのブランド観を改めて見せていた。 |
■インテリアナス

村澤一晃さんデザインの新作椅子「BOLERO」。4本の脚は簡単に取り外せて、座椅子としても利用できる。座面のクッション部も取り外し可能。同じデザインのカウンターチェアも出展していた。

生産の8割が特注品という同社のバリエーションを見せるため、地元の東川中学校に納入した椅子も展示。生徒は椅子に名札を付け、3年間同じものを使う。卒業時にはそれを自分のものとして受け取ることもできるという。旭川らしい学校家具の試みだ。
■カンディハウス

前回(2008年)の家具コンペの入賞作品。日本人ではふたり目のゴールドリーフ賞受賞者となった河田敏宏さんとの共同開発で製品化した。「FOLIO」という製品名は英語で“二つ折り”、ラテン語で“葉”を意味する。座板は取り外せ、スタッキングもできる。

こちらも2008年の家具コンペでゴールドリーフ賞を受賞した作品「BARCA」。デザイナーはデンマークのヤコブ・ヨーゲンセンさん。30枚のプライウッドをスライドさせることで、多様なフォルムをつくれる。構造と造形の見事な融合には惹き込まれた。
■カンディハウス本社

家具センターに展示されていた新作「LONOGY LUX」を本社ショールームでもゆっくり拝見。同社がハイグレードと位置づける「LUX」シリーズに加わったダイニング家具で、自社デザインだ。椅子は脚をカットすることなく座面の高さを3段階に変えられ、テーブルは伸長式。「サイズを美しく変えられる家具」を目指したという。

テーブルの伸長部分の天板は、収納されて二重になったときもテーパーが揃うように工夫してある。

カンディハウスヨーロッパ(ドイツ)のベストセラー「バリンジャー スライドテーブル」(写真中央)は、2002年の家具コンペ入選作を製品化したもの。そのテーブルに合わせたソファやサイドボードを、「ATILLA LUX」として発表した。

カンディハウスでは産地展来場者向けにファクトリーツアーを行っていて、同社の製造工程を1時間ほどで見ることができる。駆け足ではあるが、同社の得意とする分野がよくわかると参加者に好評だ。



